ChatGPTの仕組みを解説|概要やAIの学習方法も

OpenAI社が開発した「ChatGPT」を使い始めたものの、ChatGPTの概要や仕組みをご存じない方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事ではChatGPTの概要のほか、評価モデルや学習方法などの仕組みも解説します。
最後に紹介する、ChatGPT使用時の注意点もぜひ参考にしてみてください。

また、ChatGPTのアカウントをまだ持っていない場合は、以下の記事も読んでみてください。

目次

ChatGPTとは

ChatGPTとは、OpenAI社が開発した大規模言語モデルの1つです。

AIに指示を出すと、人間と対話しているような口調で、テキスト形式でChatGPTから回答が出力されます。

今までは、AIツールの使用には専門的な知識が必要でしたが、ChatGPTは素人でもAIの利用が可能です。

ChatGPTででできること・できないこと

ChatGPTと従来の「AI」との違い

今までの「AI」では出来ませんでしたが、ChatGPTではオリジナルコンテンツの生成が可能になりました。
従来は、提示された回答をベースに学習したデータから回答を行っていましたが、ChatGPTは幅広い情報源から、独自のコンテンツが生成できます。

また、ChatGPTは今までのチャットボットとは違って、人間と対話しているようなスムーズな回答が可能です。ChatGPTは、同チャット内の履歴から回答してほしい情報を予想できるため、さらにリアリティのある会話感を味わえます。

ChatGPTでできること

ChatGPTでできることは、主に以下の7つです。

ChatGPTでできること7つ

質問応答・対話:質問に対して回答の出力・コミュニケーション
文章要約:指定した文章の簡潔な要約生成
文章生成:与えられたテキスト・条件から、新しいテキストを生成
翻訳:別の言語への翻訳
情報検索:Webサイト上の情報の検索
動画・画像生成:与えられた指示による動画・画像の生成
プログラミングコード生成:指定した種類のコード生成

具体的な使い方を知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。

ChatGPTの仕組み

ChatGPTは、大規模言語モデル「InstructGPT」がもとになっています。
InstructGPTは、データを読み込んで学習し、人間との対話からフィードバックを受けてさらに自然な言語で回答を生成できる点が特徴です。

ChatGPTの仕組みを知る前に、以下の4つの単語の意味を押さえておきましょう。

押さえておきたい!ChatGPTの仕組みに関する4つの単語

アルゴリズム:目的解決や目標到達のための手順・計算方法
データセット:目的のために集められ、一定の形式に整えられたデータの集合体
評価モデル:算出結果の精度を評価するモデル
学習方法:データから法則性を見出し、予測や分析ができるようになるプロセスのこと

また、ChatGPTの回答は以下の仕組みで生成されています。

ChatGPTの回答が生成される仕組み6STEP

STEP1:データからの情報収集
STEP2:収集したデータの前処理
STEP3:データ学習によるモデル構築
STEP4:構築したモデルの評価
STEP5:回答の生成
STEP6:ユーザーに対する回答出力

それぞれのSTEPを見ていきましょう。

STEP1:データからの情報収集

最初のSTEPでは、インターネットのWebサイトや、論文、ニュース記事などさまざまなデータベースから大量のテキストデータを収集します。
ChatGPTの学習には、以下のオープンソースのデータセット2つが主に使用されています。

ChatGPTの学習に使われているデータセット2つ

Common Crawl Corpus
2008年以降のWeb上の数十テラバイトのデータが収集された、巨大なデータセットです。
オープンなため無料で誰でも利用可能です。

BooksCorpus

多くの書籍からのデータを集積したテキストデータセットです。
どのようなシーンでどういった感情を抱くのかなど、文学的な展開や表現の把握に重宝します。

STEP2:収集したデータの前処理

この段階では、収集されたデータを使う前に処理します。
ChatGPTが効果的な学習を行うために、要らない記号や文字の削除、文章の校正などのクリーンアップ・調整が実施されます。

STEP3:データ学習によるモデル構築

データが前処理された状態で、データからパターンを見出し、言語の意味などを把握するためのモデル学習がスタートします。
ChatGPTの学習には多くの時間が必要で、学習方法のプロセスは以下のとおりです。

ChatGPTの学習方法のプロセス

1_事前学習:

大量のテキストデータから学び、言語モデルを構築する

2_データ解析:

学習したデータを分析してタスクに要る情報を抜粋する

3_ファインチューニング:
タスクに特化した学習を行い、ある分野に特化したモデルを構築する

STEP4:構築したモデルの評価

学習完了後、構築したモデルの性能を、人間の価値観に沿った評価が行えるReward Modelを使って評価します。性能評価は、構築したモデルが実務でスムーズに機能できるかを検証する段階です。
Reward Modelの評価項目は、以下3つです。

Reward Modelの評価項目3つ

・正確性:
情報の正確性
・倫理観:
人を傷つける内容でないかなどの倫理性やその考慮
・有益性:
ユーザーにとって価値がある提供情報か否か

STEP5:回答の生成

構築したモデルの評価が完了しテストが成功したら、実際のユーザーからの質問に応答するための回答が生成されます。
この時点では回答が生成されるだけですが、最終的にはユーザーに表示される応答となります。

STEP6:ユーザーに対する回答出力

最終STEPでは、生成した回答がユーザーに対して出力されます。
学習から回答出力までの、いくつかのSTEPを経て、ユーザーとの対話が行われています。

有料版ChatGPT-4(GPT4)

ChatGPTの最新版は有料版(Plus)の「ChatGPT-4(GPT4)」です。
GPT-4では、2022年1月時点での最新情報をもとに、回答が出力されます。

ChatGPT-4(GPT4)でできること

ChatGPT-4でできることは、主に以下の3つです。

最新版ChatGPT-4(GPT4)でできること3つ

・GPT-3.5に搭載されている機能の高度処理
・プラグインの追加
・Advanced data analysis(旧Code Interpreter)の利用


ChatGPT-4では、従来のGPT-3.5の機能であった、質問応答・対話、翻訳やプログラミングコードの生成などの処理がより高度に行えます
また、ChatGPTの拡張機能「プラグイン」を追加すると、特定のwebページの要約ができるなど、さらに便利な機能が使えます。
Advanced data analysis(旧Code Interpreter)では、ChatGPT上でのPythonコードの実行や指定したファイルのダウンロードなどが可能です。

有料版(Plus)のChatGPT-4でできることが詳しく知りたい場合は、以下の記事も読んでみてください。

ChatGPT-4とChatGPT-3.5の異なる点

ChatGPT-4とChatGPT-3.5との違いは以下のとおりです。

ChatGPT-4とChatGPT-3.5の比較表

比較項目有料版(Plus)無料版
料金月額20ドル無料
搭載言語モデルGPT-4GPT-3.5
パラメータ数推定5000億~1兆個3550億個
情報の最新性2022年1月まで2021年9月まで
プラグインの利用可能不可能
Advanced Data Analysisの利用可能不可能
Custom Instructionsの利用可能可能
アクセス制限なし混雑時に制限あり
反応速度速い(プラグイン使用時はやや遅い)速い(混雑時はやや遅い)

※Custom Instructionsの利用はChatGPTのPlusユーザー(有料会員)に限定されていましたが、一部の地域を除いて2023年8月9日に無料ユーザーも利用できるようになりました。

ChatGPT-4は有料プランにしなければ使えないものの、ChatGPT-3.5と比べると使える機能の幅や情報の最新性に差があることが分かります。

ChatGPTを使用する際の4つの注意点

業務を効率化できるChatGPTですが、利用時には以下4つの注意点があります。

ChatGPT利用時の注意点4つ

・回答が誤っている場合がある
・プロンプトの入力内容に注意する
・プロンプトの入力文字数に限りがある
・学習時に悪用される恐れがある

それぞれの内容を確認していきましょう。

注意点1:回答が誤っている場合がある

ChatGPTは参照元から回答を生成しており、学習データの更新が即時には行われていないため、ChatGPTから出力された回答には誤りがある可能性があります
有料版(Plus)のChatGPT-4は2022年1月、無料版のChatGPT-3.5は2021年9月までの情報を参照し、回答を生成しています。
そのため、ChatGPTから出力される回答は、適切な内容か否かを自身で判断して使用しなければいけません。

注意点2:プロンプトの入力内容に注意する

ChatGPTの使用時、プロンプトに入力した内容は他者との対話で使用される可能性があるため、個人情報や会社の機密情報を入力しないよう気を付けて入力する必要があります。

例えば、自社の売上情報や販路情報が競合他社に漏れた場合、自社商品の売上や販路に支障をきたしてしまいます。

機密性の高い売上情報や販路情報・顧客データは、プロンプトに入力しないよう注意しましょう。

注意点3:プロンプトの入力文字数に限りがある

ChatGPTのプロンプトの入力文字数には限りがあり、日本語だとGPT-3.5(無料版)は約6,000文字、GPT-4(有料版)は約3,000文字が最大入力文字数の目安です。

OpenAI社はユーザーの使用状況に応じて制限を変更しているため、ユーザーのニーズによっては、今後、制限が改善されるかもしれません。

ChatGPT使用時にプロンプトが入力できなくなる、ログインができないなどのエラーが出る場合は、以下の記事で対処法を確認してみてください。

注意点4:学習時に悪用される恐れがある

小論文や作文の作成、課題や宿題の回答の際にChatGPTが悪用される可能性があります。
ChatGPTは質問に回答してくれますが、これでは学習の効果が見込めません。
学習時のChatGPTの悪用が防げるよう、教育機関側が対策を講じる必要があるでしょう。

ChatGPT研修「BotCamp」の特徴

わたしたちが提供する「BotCamp」は、ChatGPT研修の使い方を初心者から学べる研修です。

・日々登場する新しいAIツールやプラグインに、インプットが追いつかない
・AIツールの選択肢が多すぎて、自分にとって最適なツールを見つけられない
・生成系AIが仕事にどう役立つのか、あまりイメージできない
・すでに業務にAIを取り入れているが、使い方が適切なのかわからない
・時間をかけて学習しても、投資対効果がよいのか分からない
・プロンプトエンジニアリングって難しそう。とっつきづらく感じている

このようなお悩みをお持ちの方におすすめです。

BotCampの特徴1:プロンプトを難しく考えずシンプルに捉える

生成AIからのアウトプットの質を高めるコツは、指示文を「端的に・具体的に」書くことです。

だらだらと長く書く必要はありません。プログラミングやシステムエンジニアリングのように、用語めいた難しい言葉を使う必要も一切ありません。

プロンプトエンジニアリング」と聞くとやや学術的で高度な技術的理解が必要な印象を受けるかもしれませんが、Prompt Simpleという考え方で、誰でも最小限の労力で最大限AIパワーを活用する方法をお伝えします。

BotCampの特徴2:便利なプラグインを厳選して紹介

日々増え続ける膨大なChatGPTプラグインのうち、業務改革のインパクトが大きく重要なプラグインを厳選して紹介します。

業務の種類ごとに、どの機能を使うべきか自分で考え判断できる応用力を身につけることができます。

BotCampの特徴3:Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)で「一億総データサイエンティスト」に

CSV、PDFなどのデータをアップロードした上で、ChatGPT上でPythonのコードを生成・実行できる機能「Advanced Data Analysis」を活用し、高度な専門性がなくても誰もがデータサイエンティストのようなモデル作成、データの予測ができるようになります。

BotCamp開催概要

開催日程研修内容ページを確認
研修時間9:00~17:00もしくは10:00-18:00
料金33,000円(税込)
開催形式対面のみ(オンライン参加不可)
会場水道橋開催の場合
コンフォート水道橋
東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル 2階,5階
https://www.relo-kaigi.jp/comfort-suidoubashi/access/

神田開催の場合
BIRTH KANDA
東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル7F
https://birth-village.com/
備考・ChatGPT(GPT-4)が入ったWindowsPCをお持ちください
・推奨のOSはWindowsです。Macでの受講はご遠慮ください。
・セキュリティ上ChatGPTが使えないPCでの受講はご遠慮ください。