Microsoft 365 Copilot Wave2とは?使える機能や活用事例まで解説

この記事の情報は、2024年12月25日現在の最新情報をまとめております。

Microsoft社は、2024年9月16日に「Microsoft 365 Copilot Wave 2」の発表を行い、多くのアップデート内容や新機能を公表しました。
特に、主要なアプリケーションであるExcelやWord、PowerPointなどの機能強化が行われ、業務効率化や生産性向上が期待されています。
また、今回のWave2では、新たに「Copilot Studio」や「Copilot Pages」などの機能も追加されているため、ユーザーのニーズに応じた柔軟なカスタマイズが可能です。

本記事では、Microsoft 365 Copilot Wave2の各アプリでのアップデート内容や新機能、実際の活用事例を紹介します。
Microsoft 365 Copilot Wave2の機能を利用して業務の効率化をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

なお、Microsoft 365 Copilotの概要が気になる方は、以下の記事も読んでみてください。

目次

Microsoft 365 Copilot Wave2のアップデート機能とは?

Microsoft 365 Copilot Wave2のアップデートでは、ビジネスで効率的にタスクをこなすために、従来の機能にAIによる自動化が強化されました。


ここからは、Microsoft 365 Copilot Wave2のアップデートした機能、以下6つを解説します。

Microsoft 365 Copilot Wave2でアップデートした機能

・Copilot in Excel
・Copilot in Word
・Copilot in PowerPoint
・Copilot in Teams
・Copilot in OneDrive
・Copilot in Outlook

それぞれの機能を押さえていきましょう。

Copilot in Excelのアップデート内容

Copilot in Excelのアップデートにより、データ分析が一層高度かつ簡単に行えるようになりました。新しい関数や条件付き書式設定のサポートも強化され、XLOOKUPやSUMIFといった高度な関数やピボットテーブル、チャートのカスタマイズがよりスムーズになっています。

また「Copilot in Excel with Python」もパブリックプレビューとして導入され、プログラム未経験でも自然言語で分析内容を指示するだけでPythonコードを自動生成できるようになりましたが、こちらは現時点での実用性はイマイチです。

そもそもPythonで処理をかける必要があるデータはビッグデータである事が多く、Excelで扱うには重たすぎて動かせません。Excelは関数やピボットテーブルの汎用性がかなり高いため、Pythonでしか実現できない作業があまりないのです

Copilot in Wordのアップデート内容

Copilot in Wordがアップデートしたことによって、ユーザーは文書作成時に複数のソースから情報をシームレスに参照し、統合することが可能になりました。

Web上のデータや他のWord文書、PowerPoint、PDF、さらには暗号化されたファイルや会議メモも取り込み、簡単に質の高いコンテンツを生成できます。

また、インラインでのCopilotとの共同作業機能が追加され、特定のセクションで直接やり取りが可能になったため、ドラフト作成から構造化まで効率的に作業を行えます。

Copilot in PowerPointのアップデート内容

Copilot in PowerPointのアップデートでは、「Narrative Builder」と呼ばれる機能が導入され、プロンプトを入力するだけでAIがプレゼンテーションのアウトラインを自動的に作成してくれるようになりました。

また「Brand Manager」の機能も強化され、組織が指定したテンプレートやSharePointのライブラリから企業承認済みの画像やアセットをスライドに取り込み、組織のテンプレートや素材アセットも利用できるようになりました。

ただしこちらもまだ「かゆいところに手が届かない」クオリティであることは改善されておらず、人間がノーチェックで完成させられるほどのレベルではありません。

Copilot in Teamsのアップデート内容

Copilot in Teamsが従来の機能からアップデートしたことで、会議中の情報管理機能が向上しました。

Copilot in Teamsは会議の音声記録とチャット内容を自動的に分析し、会議の要点や意見の一致・不一致を即座に要約します。
そのため、会議参加者が発言内容を聞き逃しても、重要な発言やタスクの把握が容易になったため、会議全体の流れを効率よく追えるでしょう。

また、未解決の質問を抽出し、議論内容に基づいた次のステップの提案も行うため、会議後のタスク管理やフォローアップがスムーズです。
このアップデートは2024年9月から一般提供が開始され、より充実したオンライン会議体験ができるようになっています。

Copilot in OneDriveのアップデート内容

Copilot in OneDriveのアップデートにより、ファイル管理と情報検索がさらに効率化されました。

ファイルの違いや共通点を自動で要約して表示する機能が追加されており、複雑な情報の把握が短時間で行えるようになりました。
また、ユーザーはOneDrive上の複数ファイルを横串しで、開くことなく内容の把握や比較が可能です。

このように異なるファイル形式間でも内容を比較できるため、様々な形式のデータを横断的に確認できる利便性が向上していると言えるでしょう。
Copilot in OneDriveのアップデートは現在ロールアウト中で、2024年9月末までには全ユーザーに提供される予定です。

Copilot in Outlookのアップデート内容

アップデートにより、メールの内容や送り主から重要度を分析し、優先順位を自動で設定することが可能になったため、Copilot in Outlookでのメール管理がより効率的になりました。

この新機能では、Copilotが受信トレイ内のメールを分析し、ユーザーにとって重要度の高いメッセージを優先的に表示してくれます。
メールの内容や送り主、過去のやり取りなどをもとに自動で優先順位が設定され、長文のメールであっても主要なポイントが要約表示されるため、内容を短時間でメール内容の把握が可能です。

さらに、返信の草案生成機能も搭載されているため、返信の時間短縮にも重宝します。

なお、Microsoft 365 Copilotの特徴を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

Copilot Wave2の新機能とは?

Microsoft 365 Copilot Wave2の新機能は、以下2つです。

icrosoft 365 Copilot Wave2の新機能

・新機能1:Copilot Studio agent builder
・新機能2:Copilot Pages

それぞれの機能をチェックしていきましょう。

新機能1:Copilot Studio agent builder

Copilot Studioの新機能である「agent builder」は、ChatGPTのMyGPTと同様、自身・自社専用のボットが作成可能な機能です。
ユーザーが特定の目的や業務に応じて、カスタマイズされたAIエージェントを作成できます。

この機能により、企業はMicrosoft TeamsやSharePointなどの従業員が頻繁に利用するアプリケーションに専用のエージェントを簡単にデプロイできます。
さらに、組織内のWebサイトや内部情報、知識ベースをインポートすることで、一般公開されていない企業特有の情報に基づいた精度の高い回答が可能です。

ChatGPTの「MyGPT」のように用途に特化したAIを迅速に構築し、業務効率化や情報管理のサポートとして利用できます。
そのため、企業内の独自要件に応じたエージェントの展開が進み、業務の生産性向上に貢献できるでしょう。

また、ChatGPTのMyGPTが気になる方は、以下の記事も読んでみてください。

新機能2:Copilot Pages

Copilot Pagesは、チームのコラボレーションをより円滑・高度にできる機能です。
共同編集可能なメモにCopilotを参加させることができるため、Copilotでの加筆・修正が可能です。
このように生成AIの回答を共同編集可能なメモにすることができたり、リアルタイムで編集することができるため、より円滑にチームで情報整理・議論できるようになりました。

また、BizChat(Business Chat)との連携により、業務に関連するデータや洞察を一元化し、作業の流れに合わせた豊富な情報を提供できる点も強みです。

このように、Copilot Pagesは企業全体の情報共有とコラボレーションを強化するための新しいキャンバスアプリで、2024年9月末から一般提供が開始されています。

Microsoft 365 Copilot Wave2の機能の活用事例5選

Microsoft 365 Copilot Wave2の機能の活用事例は、以下の5つです。

Microsoft 365 Copilot Wave2の機能の活用事例5選

・活用事例1:Vodafone
・活用事例2:Amgen
・活用事例3:Teladoc
・活用事例4:Finastra
・活用事例5:Honeywell

Microsoft 365 Copilot Wave2の機能の活用事例を押さえていきましょう。

活用事例1:Vodafone

引用元:Vodafone

Microsoft 365 Copilot Wave2の導入によって、Vodafone6万8千人の従業員に対する業務効率の向上をサポートしています。
Copilotは日常業務での情報整理やタスクの優先順位設定、データ解析などに活用され、従業員の生産性を大幅に引き上げることが可能です。
このような大規模な導入により、Vodafoneでは全社的に業務プロセスが簡素化され、従業員がより重要な戦略的業務に集中できる環境が整えられています。

活用事例2:Amgen

引用元:Amgen

Amgenは、Microsoft 365 Copilot Wave2を導入することで、希少疾患に関する研究のスピードをアップさせています。
Copilotの高度なデータ解析機能と情報整理能力を活用し、膨大な研究データを迅速に分析し、洞察を得るプロセスが効率化されました。
そのため、研究者たちは重要な発見や分析に集中でき、希少疾患の理解と治療法開発を加速させることが可能になっています。

活用事例3:Teladoc

引用元:Teladoc

Microsoft 365 Copilot Wave2の活用により、Teladocのカスタマーサービス部門では業務効率化が進んでいます。
Copilotが顧客からのよくある質問に対する回答を自動でドラフトし、担当者が簡単に確認・修正できるようにすることで、毎週最大5時間の業務時間を節約できています。
この時間短縮により、カスタマーサービス担当者は他の重要な対応や複雑なケースに集中でき、顧客体験の向上とサービスの質の維持に貢献できるでしょう。

活用事例4:Finastra

引用元:Finastra

Finastraでは、Microsoft 365 Copilot Wave2を導入したことで、マーケティングチームのコンテンツ制作プロセスが大幅に効率化されました。
Copilotのサポートにより、アイデア出しから制作までの一連の流れが75%も短縮され、従来よりも迅速にコンテンツを提供できるようになっています。
チームは業務が短縮されたことで生まれた時間によりプロジェクトを展開できるため、顧客とのエンゲージメント強化や市場での競争力向上につながる成果を残しやすくなるでしょう。

活用事例5:Honeywell

引用元:Honeywell

Honeywellでは、Microsoft 365 Copilot Wave2の導入により、従業員が週平均で92分の業務時間を節約しています。
これを年間で換算すると約74時間に相当し、各個人が効率的に業務を進められていることがわかります。

このように、HoneywellではCopilotのサポートにより、情報整理やタスクの優先度設定が迅速化され、従業員は重要なプロジェクトや戦略的な活動に時間を割くことが可能になりました。

ChatGPTのビジネスでの活用例が気になる方は、次の記事も読んでみてください。

今後のMicrosoft 365 Copilotの展望は?

今後のMicrosoft 365 Copilotの展望として、さらに高まる生産性向上とビジネス価値の提供が期待されています。
Microsoftは、Copilotを通じて業務効率の最大化を推進し、企業が変化に迅速に対応できるよう支援していくことが予想されます。

Microsoftは近い将来、今後も進化するAI技術の活用により、より高度な分析能力や、ユーザーのニーズに応じたカスタマイズ機能を追加し、発表する可能性があるでしょう。

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BotCamp開催概要

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研修時間9:00~17:00もしくは10:00-18:00
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会場水道橋開催の場合
コンフォート水道橋
東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル 2階,5階
https://www.relo-kaigi.jp/comfort-suidoubashi/access/

神田開催の場合
BIRTH KANDA
東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル7F
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