ChatGPT「翻訳機能」の精度を解説|使い方のコツやメリット、注意点も

OpenAI社が開発した「ChatGPT」は業務効率化だけでなく、翻訳にも活用できます。
ただし、翻訳精度の高さや翻訳指示のコツなどを把握している人は、まだ少ないのではないでしょうか。

そこで、本記事では事例を用いたChatGPTの「翻訳機能」の精度解説はもちろん、使い方のコツやメリット、注意点を紹介します。ChatGPTでの翻訳が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、ChatGPTのアカウントが未登録の場合は、以下の記事も読んでみてください。

目次

ChatGPTで翻訳する際のプロンプト(指示文)のコツ

ChatGPTで翻訳する際のプロンプト(指示文)のコツは、以下3つです

ChatGPTで翻訳する際のプロンプト(指示文)のコツ3つ

・最初に指示する
・具体的かつ詳細に指示する
・すべきことを指示する

それぞれ確認していきましょう。

ChatGPTで翻訳するプロンプトのコツ1:最初に指示する

指示する際に、プロンプトの最初に指示すると、意図する翻訳内容で回答が得られやすくなります。

翻訳する場合は、#や”などの区切り記号を使って、指示内容と文章を分けて伝えるとさらに精度の高い回答が期待できます。

指示内容と文章を分けなかったり、区切り記号なしで指示してしまったりすると、指示した内容や翻訳の文章が混在し、意図した回答が出力されない場合があるため気を付けましょう。

×悪いプロンプト例

     

◎良いプロンプト例

      

ChatGPTで翻訳するプロンプトのコツ2:具体的かつ詳細に指示する

精度の高い翻訳のためには、文章のスタイルや形式、翻訳文の長さの指定などを具体的かつ詳細に指示する必要があります。

曖昧な指示でも回答は得られますが、指示内容を誤って理解し、ChatGPTから意図しない回答が出力されるケースもあるため注意が必要です。

×悪いプロンプト例
     
※具体的な指示内容がないと、余分な情報まで含んだ結果が出力されるケースがあります。

◎良いプロンプト例
      
※対象者や文量などの具体的な指示内容があると、簡潔な回答が得られやすくなります。

ChatGPTで翻訳するプロンプトのコツ3:すべきことを指示する

ChatGPTに翻訳を指示する場合、してはいけないことではなく、すべきことを具体的に指示すると、精度の高い翻訳出力が期待できます。

×悪いプロンプト例

     

◎良いプロンプト例

     
※何をしてはいけないかではなく、具体的に何をすべきかをプロンプトに含めましょう。

ChatGPTのプロンプト上手く書くコツの詳細が知りたい場合は、以下の記事も読んでみてください。

ChatGPTで翻訳する際の推奨プロンプト「PromptSimple」

ChatGPTを使っての翻訳例を紹介する前に、前提としてプロンプトの書き方を統一させてください

BotCampでは、ChatGPTで翻訳する際の3つのコツを含んだ、簡潔なChatGPTプロンプトテンプレート「Prompt Simple」を使用することを推奨しています。
今回は、「Prompt Simple」の書き方をベースに活用事例をご紹介します。

「Prompt Simple」とはDIK独自の書き方で、以下5項目を含むプロンプトのことを指します。

ChatGPTプロンプトテンプレート「Prompt Simple

#お願い

#目的

#情報

#ルール

#出力

#お願い

「#お願い」に何を書く?
・5W1Hを意識して明確に具体的に作業をお願いする。
・仕事全体のうちの、どの役割を頼むのかを明確に伝える

#目的

「#目的」に何を書く?
・なぜその仕事をお願いしているのかの目的と背景を伝える

#情報

「#情報」に何を書く?
・自分とChatGPTの情報格差を無くし、前提知識を揃えるための参考情報を提供する

#ルール

「#ルール」に何を書く?
・クオリティとして担保したいこと、アウトプットとして期待していることを明確に伝える

#出力

「#出力」に何を書く?
・アウトプットイメージを伝える(表形式、ブレッド形式など)

ChatGPTの翻訳機能の精度とは

ここからは、以下6つの事例を用いてChatGPTの「翻訳機能」の精度を解説します。

ChatGPT「翻訳機能」検証事例6つ

・長文翻訳
・誤訳の発見
・訳文の校正・修正
・主語を指定して翻訳
・文末の言い方を指定して翻訳
・オリジナル用語集の生成

また、今回は、ChatGPTの有料版であるChatGPT-4(GPT4)で翻訳します。
ChatGPT-4(GPT4)の詳細が気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。

ChatGPT「翻訳機能」検証事例1:長文翻訳

同じ英語で書かれた文章を、ChatGPT、DeepL翻訳、Google翻訳を用いて日本語に翻訳してみました。

原文

EcoPure Foods, known for its organic products, announced a collaborative venture with HealthFirst Wellness, aiming to revolutionize nutritional supplements, backed by research from BioFuture Labs, distribution logistics from SwiftMove Solutions, and strategic planning by the consulting firm, Visionary Pathfinders.

ChatGPTでの日本語翻訳

有機製品で知られるエコピュア・フーズは、ヘルスファースト・ウェルネスとの共同事業を発表しました。この取り組みは、栄養補助食品の革命を目指しています。バイオフューチャー・ラボの研究に支えられ、スウィフトムーブ・ソリューションズの流通物流と、コンサルティング会社ビジョナリー・パスファインダーズによる戦略的計画が組み合わされています。

DeepL翻訳での日本語翻訳

オーガニック製品で知られるエコピュアフーズは、バイオフューチャー・ラボの研究、スウィフトムーブ・ソリューションズの流通ロジスティクス、コンサルティング会社ビジョナリー・パスファインダーズの戦略的プランニングを背景に、栄養補助食品に革命を起こすことを目指すヘルスファースト・ウェルネスとの共同事業を発表した。

Google翻訳での日本語翻訳

オーガニック製品で知られる EcoPure Foods は、BioFuture Labs の研究、SwiftMove Solutions の流通ロジスティクス、コンサルティング会社 Visionary Pathfinders による戦略計画に裏付けられた、栄養補助食品の革命を目指す HealthFirst Wellness との共同事業を発表しました。

3つを比べてみると、同じ製品のことでも、ChatGPTでは有機製品、DeepL翻訳・Google翻訳ではオーガニック製品と訳されており、ChatGPTのほうがより日本語に訳されています

また、最初の一文目の翻訳の長さはChatGPTが一番短く、分かりやすいように区切って訳されています。

ChatGPT、DeepL翻訳、Google翻訳の中では、ChatGPTが一番スムーズに日本語訳されていることが分かるでしょう。

ChatGPT「翻訳機能」検証事例2:誤訳の発見

ChatGPTは翻訳だけでなく、誤訳の発見も可能です。

誤訳の発見事例

名詞の誤訳や訳し忘れ、不完全な訳まで細かく指摘してくれています。

ChatGPT「翻訳機能」検証事例3:訳文の校正・修正

ChatGPTに訳した文章の校正も依頼できます。

訳文の校正・修正事例

プロンプト内容に従って、訳文を校正してくれました。
訳文の場合は、翻訳前の原文を情報として提供しておくと、さらに精度の高い訳文の校正が期待できます。

ChatGPT「翻訳機能」検証事例4:主語を指定して翻訳

英語の文章の中にある主語を指定して、ChatGPTへの翻訳の指示が可能です。

主語を指定して翻訳する事例

指示内容に従って、翻訳内容が抽出されました。
今までの訳では、エコピュア・フーズが主語になっていましたが、指示したことによってヘルスファースト・ウェルネスが主語になった文章で訳されています。

ChatGPT「翻訳機能」検証事例5:文末の言い方を指定して翻訳

事例で用いている英語の文章を、文末の言い方を指定して日本語に翻訳してみました。

文末の言い方を指定して翻訳する事例

長文にはなったものの、プロンプト内容に従って、常体「~である」調で訳されていることが分かります。

ChatGPT「翻訳機能」検証事例6:オリジナル用語集の生成

ChatGPTの翻訳機能を利用して、オリジナル用語集を生成できます。

オリジナル用語集の生成事例

ChatGPT「翻訳機能」の精度を解説

指示する英語文章に含まれる単語を抽出し、翻訳することで用語集の作成が可能です。
読解が難しい英文や対策したい問題の単語抽出に利用など、英語学習への活用が期待できるでしょう。

ChatGPTを使って翻訳するメリット

翻訳機能を利用して、効率化や学習に活かせるChatGPT。
このChatGPTを使って翻訳すると、以下3つのメリットがあります。

ChatGPTで翻訳するメリット3つ

・翻訳精度が高くて速い
・専門知識が不要
・多言語の翻訳が可能

ChatGPTでは最先端の自然言語処理技術が用いられているため、従来の機械翻訳ツールと比較して、とても高い精度で迅速な翻訳が可能です。
もともとの学習データ量が多く、人間の評価による強化学習(RLHF)も実行されていることから、さらに翻訳の精度が高まることが期待できます。
また、ChatGPTで翻訳する場合は、言語に関する専門的な知識は不要なため、誰でも簡単に翻訳が可能です。

なお、ChatGPTの利用により多言語での翻訳ができるようになりました。
今までの機械翻訳ツールでは、ユーザー側が操作することによって翻訳元・翻訳したい言語を選ばなければいけませんでしたが、ChatGPTでは言語の指定のみで翻訳が可能になっています。

ChatGPTを使って翻訳する際の注意点

ChatGPTでユーザーが入力した内容はChatGPTの学習データとして利用される対象のため、情報の取り扱いに気を付けましょう。
入力した内容を利用されないためには、設定「Chat History & Training」をオフにする必要があります。
手順は以下のとおりです。

ChatGPTの画面左下の「Settings&Beta」を選択してください。

ChatGPT「翻訳機能」の精度を解説

「Settings」内の「Data controls」タブを選び、「Chat history & training」をオフにすれば設定完了です。

ChatGPT「翻訳機能」の精度を解説

この設定はブラウザや端末間で共有されないため、ChatGPTの学習データとして利用されるのが気になる場合は、ChatGPTを利用するごとに設定を確認するのがいいでしょう。

ChatGPT研修「BotCamp」の特徴

BotCampバナー

わたしたちが提供する「BotCamp」は、ChatGPT研修の使い方を初心者から学べる研修です。

・日々登場する新しいAIツールやGPTsに、インプットが追いつかない
・AIツールの選択肢が多すぎて、自分にとって最適なツールを見つけられない
・生成系AIが仕事にどう役立つのか、あまりイメージできない
・すでに業務にAIを取り入れているが、使い方が適切なのかわからない
・時間をかけて学習しても、投資対効果がよいのか分からない
・プロンプトエンジニアリングって難しそう。とっつきづらく感じている

このようなお悩みをお持ちの方におすすめです。

BotCampの特徴1:プロンプトを難しく考えずシンプルに捉える

生成AIからのアウトプットの質を高めるコツは、指示文を「端的に・具体的に」書くことです。

だらだらと長く書く必要はありません。プログラミングやシステムエンジニアリングのように、用語めいた難しい言葉を使う必要も一切ありません。

プロンプトエンジニアリング」と聞くとやや学術的で高度な技術的理解が必要な印象を受けるかもしれませんが、Prompt Simpleという考え方で、誰でも最小限の労力で最大限AIパワーを活用する方法をお伝えします。

BotCampの特徴2:便利なGPTsを厳選して紹介

GPT storeにて日々増え続ける膨大なGPTsのうち、業務改革のインパクトが大きく重要なGPTsを厳選して紹介します。

業務の種類ごとに、どのGPTを使うべきか自分で考え判断できる応用力を身につけることができます。

BotCampの特徴3:Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)で「一億総データサイエンティスト」に

CSV、PDFなどのデータをアップロードした上で、ChatGPT上でPythonのコードを生成・実行できる機能「Advanced Data Analysis」を活用し、高度な専門性がなくても誰もがデータサイエンティストのようなモデル作成、データの予測ができるようになります。

BotCamp開催概要

開催日程研修内容ページを確認
研修時間9:00~17:00もしくは10:00-18:00
開催形式対面のみ(オンライン参加不可)
会場水道橋開催の場合
コンフォート水道橋
東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル 2階,5階
https://www.relo-kaigi.jp/comfort-suidoubashi/access/

神田開催の場合
BIRTH KANDA
東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル7F
https://birth-village.com/
備考・ChatGPT(GPT-4)が入ったWindowsPCをお持ちください
・推奨のOSはWindowsです。Macでの受講はご遠慮ください。
・セキュリティ上ChatGPTが使えないPCでの受講はご遠慮ください。