OpenAI社が開発した「ChatGPT」を使い始めたものの、ChatGPTの概要や仕組みをご存じない方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではChatGPTの概要のほか、評価モデルや学習方法などの仕組みも解説します。
最後に紹介する、ChatGPT使用時の注意点もぜひ参考にしてみてください。
また、ChatGPTのアカウントをまだ持っていない場合は、以下の記事も読んでみてください。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、OpenAI社が開発した大規模言語モデルの1つです。
AIに指示を出すと、人間と対話しているような口調で、テキスト形式でChatGPTから回答が出力されます。
今までは、AIツールの使用には専門的な知識が必要でしたが、ChatGPTは素人でもAIの利用が可能です。
ChatGPTと従来の「AI」との違い
今までの「AI」では出来ませんでしたが、ChatGPTではオリジナルコンテンツの生成が可能になりました。
従来は、提示された回答をベースに学習したデータから回答を行っていましたが、ChatGPTは幅広い情報源から、独自のコンテンツが生成できます。
また、ChatGPTは今までのチャットボットとは違って、人間と対話しているようなスムーズな回答が可能です。ChatGPTは、同チャット内の履歴から回答してほしい情報を予想できるため、さらにリアリティのある会話感を味わえます。
ChatGPTでできること
ChatGPTでできることは、主に以下の7つです。
ChatGPTの具体的な使い方を知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
ChatGPTの追加機能:部分指定機能(Reply機能)
ChatGPTの新機能として、部分指定機能(Reply機能)が追加されました。(2024年6月10日時点)
部分指定機能とは、ChatGPTの回答内容のなかでも、選択した部分のみに対して追加でプロンプトを送付できる機能で、回答内容を詳しく知りたい場合に使えます。
追加でプロンプトを送付でき、改めて質問する時間や手間など今までかかっていたプロセスが省けるため、業務の効率化に重宝します。
たとえば、PDFで要約した文章のある部分の知見をさらに深める場合に、追加でプロンプトを送付する方法は以下のとおりです。
追加でプロンプトを送付したい箇所をマウスでドラッグし、表示される記号「”」(Reply)を左クリックしてください。
プロンプト入力欄の上に、選択した箇所の文章が表示されていることを確認してください。
プロンプト入力欄に追加の指示文を入力して送信します。
指示したとおりに、詳しく回答を出力してくれました。
ChatGPTの機能は、日ごとに発展しています。ChatGPTの機能を早く使いこなせるようになることで、業務の生産性が向上につながるでしょう。
ChatGPTの仕組み
ChatGPTは、大規模言語モデル「InstructGPT」がもとになっています。
InstructGPTは、データを読み込んで学習し、人間との対話からフィードバックを受けてさらに自然な言語で回答を生成できる点が特徴です。
ChatGPTの仕組みを知る前に、以下の4つの単語の意味を押さえておきましょう。
また、ChatGPTの回答は以下の仕組みで生成されています。
それぞれのSTEPを見ていきましょう。
STEP1:データからの情報収集
最初のSTEPでは、インターネットのWebサイトや、論文、ニュース記事などさまざまなデータベースから大量のテキストデータを収集します。
ChatGPTの学習には、以下のオープンソースのデータセット2つが主に使用されています。
STEP2:収集したデータの前処理
この段階では、収集されたデータを使う前に処理します。
ChatGPTが効果的な学習を行うために、要らない記号や文字の削除、文章の校正などのクリーンアップ・調整が実施されます。
STEP3:データ学習によるモデル構築
データが前処理された状態で、データからパターンを見出し、言語の意味などを把握するためのモデル学習がスタートします。
ChatGPTの学習には多くの時間が必要で、学習方法のプロセスは以下のとおりです。
STEP4:構築したモデルの評価
学習完了後、構築したモデルの性能を、人間の価値観に沿った評価が行えるReward Modelを使って評価します。性能評価は、構築したモデルが実務でスムーズに機能できるかを検証する段階です。
Reward Modelの評価項目は、以下3つです。
STEP5:回答の生成
構築したモデルの評価が完了しテストが成功したら、実際のユーザーからの質問に応答するための回答が生成されます。
この時点では回答が生成されるだけですが、最終的にはユーザーに表示される応答となります。
STEP6:ユーザーに対する回答出力
最終STEPでは、生成した回答がユーザーに対して出力されます。
学習から回答出力までの、いくつかのSTEPを経て、ユーザーとの対話が行われています。
有料版ChatGPT-4o(GPT-4o)
ChatGPTの最新版は有料版(Plus)の「ChatGPT-4o(GPT-4o)」です。
GPT-4oでは、2023年10月時点での最新情報をもとに、回答が出力されます。
ChatGPT-4o(GPT-4o)でできること
ChatGPT-4oでできることは、主に以下の3つです。
ChatGPT-4oでは、従来のGPT-3.5の機能であった、質問応答・対話、翻訳やプログラミングコードの生成などの処理がより高度に行えます。
また、ChatGPTの拡張機能「GPTs」を作成・利用すると、特定のwebページの要約ができるなど、さらに便利な機能が使えます。
Advanced data analysis(旧Code Interpreter)では、ChatGPT上でのPythonコードの実行や指定したファイルのダウンロードなどが可能です。
有料版(Plus)のChatGPT-4でできることが詳しく知りたい場合は、以下の記事も読んでみてください。
ChatGPT-4・ChatGPT-4oとChatGPT-3.5の異なる点
ChatGPT-4・ChatGPT-4oとChatGPT-3.5との違いは以下のとおりです。
ChatGPT Plusと無料版の比較表
比較項目 | ChatGPT Plus(有料版) | 無料版 |
---|---|---|
料金 | 月額20ドル | 無料 |
搭載言語モデル | GPT-4・GPT-4o | GPT-3.5・GPT-4o(回数制限あり) |
パラメータ数 | 推定5000億~1兆個 | 3550億個 |
情報の最新性 | GPT-4:2023年12月まで GPT-4o:2023年10月まで | GPT-3.5:2022年1月まで GPT-4o:2023年10月まで |
Advanced Data Analysisの利用 | 可能 | 不可能 |
Custom Instructionsの利用 | 可能 | 可能 |
アクセス制限 | なし | 混雑時に制限あり |
反応速度 | 速い | 速い(混雑時はやや遅い) |
ブラウジング機能 ※ | 可能 | 可能 |
画像やグラフィックの認識 ※ | 可能 | 可能 |
データ分析 ※ | 可能 | 可能 |
ファイルのアップロード ※ | 可能 | 可能 |
既存GPTsの利用 ※ | 可能 | 可能 (新しいGPTの作成は不可) |
部分指定機能(Reply機能) | 可能 | 可能 |
※Custom Instructionsの利用はChatGPTのPlusユーザー(有料会員)に限定されていましたが、一部の地域を除いて、2023年8月9日に無料ユーザーも利用できるようになりました。
※印の機能は、ChatGPT-3.5でも新たに使用できるようになった機能です。(2024年6月7日時点)
また、ChatGPTの新機能として部分指定機能(Reply機能)が追加になりました。(2024年6月10日時点)
ChatGPT-4・ChatGPT-4oは有料プランにしなければ使えないものの、ChatGPT-3.5と比べると使える機能の幅や情報の最新性に差があることが分かります。
また、無料版のChatGPT-3.5は会員登録しなくても利用できる仕様にアップデートされています。それに加えて、ChatGPT-3.5では以下5つの機能が新たに使えるようになりました。(2024年6月7日時点)
アップデートされたChatGPT-3.5では無料でも十分に使える機能が増えています。そのため、今後ますますのChatGPTの活躍が期待できるでしょう。
ChatGPTの追加機能:部分指定機能(Reply機能)
全てのChatGPTモデルに以下の機能が追加されました。(2024年6月10日時点)
これは、ChatGPTが出力した回答内容をさらに発展させたい場合に使える機能です。
ChatGPTに改めて質問する時間や手間など、従来は必要だった手順が省けるため、業務の効率化をサポートしてくれます。
ChatGPTを使用する際の4つの注意点
業務を効率化できるChatGPTですが、利用時には以下4つの注意点があります。
それぞれの内容を確認していきましょう。
注意点1:回答が誤っている場合がある
ChatGPTは参照元から回答を生成しており、学習データの更新が即時には行われていないため、ChatGPTから出力された回答には誤りがある可能性があります。
有料版(Plus)のChatGPT-4は2023年12月、ChatGPT-4oは2023年10月、無料版のChatGPT-3.5は2022年1月までの情報を参照し、回答を生成しています。
そのため、ChatGPTから出力される回答は、適切な内容か否かを自身で判断して使用しなければいけません。
注意点2:プロンプトの入力内容に注意する
ChatGPTの使用時、プロンプトに入力した内容は他者との対話で使用される可能性があるため、個人情報や会社の機密情報を入力しないよう気を付けて入力する必要があります。
例えば、自社の売上情報や販路情報が競合他社に漏れた場合、自社商品の売上や販路に支障をきたしてしまいます。
機密性の高い売上情報や販路情報・顧客データは、プロンプトに入力しないよう注意しましょう。
注意点3:プロンプトの入力文字数に限りがある
ChatGPTのプロンプトの入力文字数には限りがあり、日本語だとGPT-3.5(無料版)は約6,000文字、GPT-4(有料版)は約3,000文字が最大入力文字数の目安です。
OpenAI社はユーザーの使用状況に応じて制限を変更しているため、ユーザーのニーズによっては、今後、制限が改善されるかもしれません。
ChatGPT使用時にプロンプトが入力できなくなる、ログインができないなどのエラーが出る場合は、以下の記事で対処法を確認してみてください。
注意点4:学習時に悪用される恐れがある
小論文や作文の作成、課題や宿題の回答の際にChatGPTが悪用される可能性があります。
ChatGPTは質問に回答してくれますが、これでは学習の効果が見込めません。
学習時のChatGPTの悪用が防げるよう、教育機関側が対策を講じる必要があるでしょう。
ChatGPT研修「BotCamp」の特徴
わたしたちが提供する「BotCamp」は、ChatGPT研修の使い方を初心者から学べる研修です。
・日々登場する新しいAIツールやGPTsに、インプットが追いつかない
・AIツールの選択肢が多すぎて、自分にとって最適なツールを見つけられない
・生成系AIが仕事にどう役立つのか、あまりイメージできない
・すでに業務にAIを取り入れているが、使い方が適切なのかわからない
・時間をかけて学習しても、投資対効果がよいのか分からない
・プロンプトエンジニアリングって難しそう。とっつきづらく感じている
このようなお悩みをお持ちの方におすすめです。
BotCampの特徴1:プロンプトを難しく考えずシンプルに捉える
生成AIからのアウトプットの質を高めるコツは、指示文を「端的に・具体的に」書くことです。
だらだらと長く書く必要はありません。プログラミングやシステムエンジニアリングのように、用語めいた難しい言葉を使う必要も一切ありません。
「プロンプトエンジニアリング」と聞くとやや学術的で高度な技術的理解が必要な印象を受けるかもしれませんが、Prompt Simpleという考え方で、誰でも最小限の労力で最大限AIパワーを活用する方法をお伝えします。
BotCampの特徴2:便利なGPTsを厳選して紹介
GPT storeにて日々増え続ける膨大なGPTsのうち、業務改革のインパクトが大きく重要なGPTsを厳選して紹介します。
業務の種類ごとに、どのGPTを使うべきか自分で考え判断できる応用力を身につけることができます。
BotCampの特徴3:Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)で「一億総データサイエンティスト」に
CSV、PDFなどのデータをアップロードした上で、ChatGPT上でPythonのコードを生成・実行できる機能「Advanced Data Analysis」を活用し、高度な専門性がなくても誰もがデータサイエンティストのようなモデル作成、データの予測ができるようになります。
BotCamp開催概要
開催日程 | 研修内容ページを確認 |
研修時間 | 9:00~17:00もしくは10:00-18:00 |
開催形式 | 対面のみ(オンライン参加不可) |
会場 | 水道橋開催の場合 コンフォート水道橋 東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル 2階,5階 https://www.relo-kaigi.jp/comfort-suidoubashi/access/ 神田開催の場合 BIRTH KANDA 東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル7F https://birth-village.com/ |
備考 | ・ChatGPT(GPT-4)が入ったWindowsPCをお持ちください ・推奨のOSはWindowsです。Macでの受講はご遠慮ください。 ・セキュリティ上ChatGPTが使えないPCでの受講はご遠慮ください。 |