ChatGPT-4(GPT4)とはOpenAI社が開発した大規模言語モデルの1つで、最新版のGPT-4を搭載した対話型AIです。
従来のGPT-3.5より精度が高い受け答えが可能になり、データ・画像の分析やGPTsの作成・利用など、さらに業務効率化に便利な機能が加わっています。
本記事では、ChatGPT-4の特徴のほか、具体的な使い方やChatGPT-4でできること、GPT-3.5との違いを解説します。最後に紹介するChatGPT-4を使う場合の注意点もぜひ参考にしてみてください。
ChatGPT-4とは人間のように受け答えできる対話型AIのこと
ChatGPT-4とは、入力した指示内容に対して、人間が受け答えしているような自然な会話調で回答を出力する、最新版対話型AIのことです。
ChatGPTは、人工知能の研究開発機関「OpenAI社」が開発した言語モデル「GPT」をもとに作られています。バージョンは段階を踏んでグレードアップし、現在最新版のGPT-4の開発に至りました。
GPT-4は、2023年12月時点での最新情報で回答結果の出力が可能です。
ChatGPTは、インターネット上にある大量のデータを学習し、自身で回答を自動生成する点が特徴です。
質問に対する回答だけでなく、文章を書いたり、料理の献立を考えたり、プログラミングのコードを作成したりと、さまざまなシーンで活用できます。
ChatGPT-4を使うには有料プラン契約が必要
ChatGPTの最新版「GPT-4」を利用するには、有料版の契約が必須です。また無料版「GPT-3.5」は、2021年9月時点の最新情報でしか回答が得られず、パラメータ数や利用できる機能にも制限があります。
業務を効率的にするためにも有料プランを契約し、ChatGPT-4を活用するのがいいでしょう。
ChatGP-T4は日本語にも対応している?
ChatGPT-4は多言語に対応しているため、日本語のほか、英語や中国語、韓国語などにも対応しています。
そのため、日本語で指示内容を入力した場合は、日本語で回答が得られます。
また、ChatGPTの公式サイトは英語表記のため、日本語表示には切り替えできません。内容が分からない場合は、翻訳機能を使って理解しましょう。
ChatGPT-4を無料で使うには?
ChatGPT-4は有料プランを契約しなければ利用できません。
しかし、Microsoftの検索エンジン「Microsoft Bing」のGPT-4を搭載したチャット機能であれば無料で利用可能です。
使用するには、Microsoftアカウントが必要です。アカウント取得後、MicrosoftブラウザのEdgeをダウンロードしてください。Microsoft検索エンジン「Microsoft Bing」のチャット機能を探し、質問できます。
「Microsoft Bing」は、検索エンジン向けの仕様になっているため、ChatGPT-4と全く同じ回答が表示されるわけではないため、注意しましょう。
前提:プロンプトは「PromptSimple」で作成する
ChatGPT-4の使い方を紹介する前に、前提としてプロンプトの書き方を統一します。
本記事ではBotCampで推奨している、ChatGPTプロンプトテンプレート「Prompt Simple」を使用することを前提に説明します。
「Prompt Simple」とはDIK独自の書き方で、以下5項目を含むプロンプトのことを指します。
#お願い
「#お願い」に何を書く?
・5W1Hを意識して明確に具体的に作業をお願いする。
・仕事全体のうちの、どの役割を頼むのかを明確に伝える
#目的
「#目的」に何を書く?
・なぜその仕事をお願いしているのかの目的と背景を伝える
#情報
「#情報」に何を書く?
・自分とChatGPTの情報格差を無くし、前提知識を揃えるための参考情報を提供する
#ルール
「#ルール」に何を書く?
・クオリティとして担保したいこと、アウトプットとして期待していることを明確に伝える
#出力
「#出力」に何を書く?
・アウトプットイメージを伝える(表形式、ブレッド形式など)
ChatGPT-4の基本的な設定と使い方
ChatGPT-4の基本的な使い方を場面ごとに確認していきましょう。
それぞれのシーンを見ていきましょう。
1.ビジネスシーンで使う場合
ビジネスシーンで使う場合は、メールの作成時にChatGPT4が利用可能で、作業効率化に役立ちます。
プロンプトを入力し、右下にある矢印の確定ボタンをクリックします。
そうすると、指示した内容でメール文章が作られました。
2.プライベートのシーンで使う場合
プライベートのシーンで使う場合は、旅行の際に情報収集にかかる時間が短縮できます。
プロンプトを入力し、右下にある矢印の確定ボタンをクリックします。
指示した内容の情報が即時に回答されました。
ChatGPT-4のデフォルト設定
ログイン後、左上の設定タブで「GPT-4」を選択すれば、デフォルト設定が完了します。
※ChatGPT-4を使うためには、デフォルト設定を「ChatGPT-4」にしておく必要があります。
ChatGPT-4でできること
ChatGPT-4でできることには、代表的なもの以下3つがあります。
それぞれの項目を確認していきましょう。
1.GPT-3.5に搭載されている機能の高度処理
ChatGPT-4では、以下のようなGPT-3.5に搭載されている機能よりも、さらに精度の高い処理が可能です。
GPT-3.5に搭載されている機能と内容
機能 | 内容 |
---|---|
質問応答 | FAQやクイズなどの質問に回答 |
自然会話 | 自然言語での対話 |
言語生成 | 指定されたキーワードから文章を自動生成する |
要約 | 長文を要約して簡潔にする |
翻訳 | 自然言語を、別言語に翻訳する |
文章修正 | 文法やスペルをチェック・修正 |
文章意図の理解 | 文章の意図を理解して処理 |
キーワード抽出 | 文章から重要な単語を抽出 |
文章分類 | テキストを分類する |
文章分割 | 文章を小さいブロックに分割する |
文章結合 | 複数の文章を結合する |
文章言い換え | 同じ意味を持つ別表現に言い換える |
照合 | 複数の情報を照合する |
情報検索 | データベースやWeb上の情報の検索 |
自動生成 | テキスト以外の動画や音楽などを生成する |
コンテキスト理解 | 会話や文章の背景を理解 |
感情分析 | テキストから感情を分析する |
テキストのクラスタリング | テキストを似たようなグループにまとめる |
パターン認識 | パターンを識別して処理する |
画像生成 | テキストの説明から画像を生成する |
ブラウジング機能 ※ | Bingを利用してインターネット上の情報を取得できる |
画像やグラフィックの認識 ※ | 画像内容の説明、画像からHTML生成、日本語の読み取りが可能 |
データ分析 ※ | Pythonコードの生成、実行後のデータ分析が可能 |
ファイルのアップロード ※ | テキスト・スプレッドシート・画像などさまざまな形式に対応 |
既存GPTsの利用 ※ | 既存GPTs(カスタムバージョンのChatGPT)の利用 |
部分指定機能(Reply機能) | 回答内容の選択部分に対して追加プロンプトの送付が可能 |
※印の機能は、ChatGPT-3.5でも新たに使用できるようになった機能です。(2024年6月7日時点)
また、ChatGPTの新機能として部分指定機能(Reply機能)が追加になりました。(2024年6月10日時点)
また、無料版のChatGPT-3.5は会員登録しなくても利用できる仕様にアップデートされています。この変化に加えて、無料版のChatGPT-3.5では以下5つの機能が新たに使えるようになりました。(2024年6月7日時点)
アップデートされたChatGPT-3.5では無料でも十分に使える機能が増えています。そのため、今後は手軽にChatGPTの機能が使える人々が増えることが予想されるでしょう。
ChatGPTの追加機能:部分指定機能(Reply機能)
ChatGPTの新機能として、部分指定機能(Reply機能)が追加されました。(2024年6月10日時点)
この機能は、ChatGPTの回答内容のうち選択した部分に対して追加でプロンプトを送付できる機能です。
ChatGPTが出力した回答内容をさらに深掘りしたい場合などに使えます。
追加でプロンプトを送付できるため、質問する時間や手間など今までかかっていた手順が省けます。
たとえば、PDFで要約した文章のある部分を詳しく知りたい場合、追加でプロンプトを送付する方法は以下のとおりです。
追加でプロンプトを送付したい箇所をマウスでドラッグし、表示される記号「”」(Reply)を左クリックしてください。
プロンプト入力欄の上に、選択した箇所の文章が表示されていることを確認しましょう。
入力欄に追加のプロンプトを入力し、矢印マーク「↑」をクリックします。
指示したとおりに、調べた内容を詳しく出力してくれました。
日を追ってChatGPTの機能は、向上しています。今後もChatGPTの機能を知って使いこなせることで、もっと業務の効率化が進むでしょう。
2.GPTsの作成・利用
GPTsとは、ChatGPTの拡張機能のことで、自分でGPTsを作成・利用したり、他者が開発したGPTsを利用することで便利な機能が使えます。
以前は一部のユーザーのみに提供されていましたが、現在では有料版ユーザー全員の利用が可能です。
GPTsの作成・利用により、特定のwebページを指定して要約を生成したり、PDFの内容を読み取ったりするなど、より高度な処理ができます。また、競合サイトの情報検索なども対応可能です。
3.Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)の利用
ChatGPT-4では、ChatGPTの公式プラグイン「Advanced Data Analysis」が利用できます。
以前は一部の海外地域でのみ公開されていましたが、2023年7月7日に一般公開され、日本でも使用が可能となりました。
Advanced Data Analysisでできるようになったことは以下2つです。
・ChatGPT上でのPython(パイソン)のコードの「実行」
・ファイルのダウンロード、アップロード
また、プロンプトは画像、CSVデータやExcelデータのほか、動画・音楽などの文章以外のものもアップロードが可能です。Excelデータを元にグラフを作成したり、商品の売上予想やユーザーの動向仮説を検討できたりするなど、より高レベルな処理にも対応できるようになっています。
ChatGPT-4とChatGPT-3.5との違い
ChatGPT-4が使えるの有料プランを契約すると、GPT-3.5も利用が可能です。
ここでは、ChatGPT-4とChatGPT-3.5との違いを表を見て確認していきましょう。
ChatGPT Plusと無料版の比較表
比較項目 | ChatGPT Plus(有料版) | 無料版 |
---|---|---|
料金 | 月額20ドル | 無料 |
搭載言語モデル | GPT-4・GPT-4o | GPT-3.5・GPT-4o(回数制限あり) |
パラメータ数 | 推定5000億~1兆個 | 3550億個 |
情報の最新性 | GPT-4:2023年12月まで GPT-4o:2023年10月まで | GPT-3.5:2022年1月まで GPT-4o:2023年10月まで |
Advanced Data Analysisの利用 | 可能 | 不可能 |
Custom Instructionsの利用 | 可能 | 可能 |
アクセス制限 | なし | 混雑時に制限あり |
反応速度 | 速い | 速い(混雑時はやや遅い) |
ブラウジング機能 ※ | 可能 | 可能 |
画像やグラフィックの認識 ※ | 可能 | 可能 |
データ分析 ※ | 可能 | 可能 |
ファイルのアップロード ※ | 可能 | 可能 |
既存GPTsの利用 ※ | 可能 | 可能 (新しいGPTの作成は不可) |
部分指定機能(Reply機能) | 可能 | 可能 |
※Custom Instructionsの利用はChatGPTのPlusユーザー(有料会員)に限定されていましたが、一部の地域を除いて、2023年8月9日に無料ユーザーも利用できるようになりました。
※印の機能は、ChatGPT-3.5でも新たに使用できるようになった機能です。(2024年6月7日現在)
また、ChatGPTの新機能として部分指定機能(Reply機能)が追加になりました。(2024年6月10日時点)
ChatGPT-4とChatGPT-3.5を比べると、ChatGPT-4は有料であるものの、使える機能やアクセス制限、反応速度にも違いがあることが分かります。
また、無料版のChatGPT-3.5は会員登録しなくても利用できる仕様にアップデートされています。これらの変化に伴い、無料版のChatGPT-3.5では以下5つの機能が新たに使えるようになりました。(2024年6月7日現在)
なお、ChatGPTの全てのモデルに以下の機能が追加されました。(2024年6月10日時点)
これは、ChatGPTが出力した回答内容をもっと詳しく知りたい場合や、内容をさらに発展させる場合に使える機能です。
改めて質問する時間や手間など、従来は必要だったプロセスが省略できるため、業務の生産性向上をサポートしてくれます。
アップデートされたChatGPTでは無料でも十分に使える機能が増えているため、ChatGPTの利用者の増加が期待できるでしょう。
ChatGPT-4を使う場合の注意点
ChatGPT-4を使う場合には、以下5つの注意点があります。
それぞれの注意点を詳しく確認していきましょう。
注意点1:回答に誤りがある場合がある
ChatGPT-4は、学習したインターネット上の情報をベースに回答を出力します。そのため、学習したデータ内容や情報によっては、事実とは異なる回答が生成される恐れがあります。
ChatGPT-4から得られた回答をそのまま鵜呑みにするのではなく、正しい情報であるか確認する必要があるでしょう。
注意点2:データの参照時点に注意する
ChatGPT-4は、2023年12月までのデータを学習しています。
そのため、2023年12月以降の情報を含めた回答結果は得られません。
できるだけ最新の情報を得たい場合は、Webブラウジングを利用し、最新の情報に対応できるようにしておきましょう。
注意点3:セキュリティ攻撃を受ける可能性がある
ChatGPT-4では、セーフガードが実装され、悪意のある質問には対応しないよう設定されています。
しかし、過去にはプロンプト内容を変えると、セーフガードを突破できた場合があるようです。
ChatGPT-4が犯罪に使われる可能性を理解したうえで、対策を心得ておくのがいいでしょう。
注意点4:関連サービスが停止する恐れがある
ChatGPT-4に障害が起った場合、連携している他のツールのサービスも停まる恐れがあります。
大きな障害が生じた際に、ChatGPT-4と連携している他のツールのサービスを、どのように継続して利用できるのかをあらかじめ確認しておくと安心でしょう。
注意点5:使用制限がある
ChatGPT-4には、3時間あたり50メッセージの使用制限があります。(2023年7月時点)
そのため、3時間内で多くのメッセージを送信すると使用上限に達し、一定時間、ChatGPTが使えなくなる可能性があります。
OpenAI社は、ユーザーのニーズに応じて使用制限を調整しているため、上限が低くなるなどの今後の改善が期待されるでしょう。
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