ChatGPT-4o miniを解説|特徴やGPT-4o、GPT-3.5との違いも

この記事の情報は、2024年8月27日現在の最新情報をまとめております。

2024年7月19日、Open AI社はChatGPTの新しいモデル「ChatGPT-4o mini」を公式発表しました。

ChatGPT-4o miniは、有料・無料アカウントで使用不可になったChatGPT-3.5に代わるモデルとして登場しました。利用料金が低価格なのにも関わらず、性能が高いため注目を浴びています。

そこで、本記事ではChatGPT-4o miniの特徴やGPT-3.5Turbo・GPT-4oの違いを解説します。
ChatGPT-4o miniの注意点やChatGPT-4oとの使い分け方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、ChatGPTやChatGPT-4oの概要を知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

目次

ChatGPT-4o miniとは

ChatGPT-4o miniは、Open AI社が2024年7月19日に発表した最新の生成AIモデルです。
このモデルは以前のChatGPT-3.5に代わるもので、無料版および有料版のChatGPTで利用できます
また、GPT-4o miniはテキストの入力に対応し、低コストながら高性能で回答速度が速いことが特徴です。
そのため、テキストのみの会話時はGPT-4o mini、テキスト以外を入出力する際はGPT-4oに切り替えてChatGPTを使用するのが最適です。
GPT-4o miniはこれまでのGPT-3.5 Turboと比較して、より優れた性能を提供しつつ、コストパフォーマンスも非常に高いため、今後の普及が期待されています。
この新しいChatGPTモデルの登場により、生成AIの利用範囲がさらに広がり、コスト効率の高いAIサービスの提供が進むと予測されています。

ChatGPT-4o miniは無料で使える?

ChatGPT-4o miniは、無料ユーザーでも利用可能です。
無料版のChatGPTでは最初の数回の会話は高性能なGPT-4oが使用され、その後の制限に達すると自動的にGPT-4o miniに切り替わります。
GPT-3.5は使用不可となりましたが、GPT-4o miniの導入で無料ユーザーも精度の高いやりとりができるようになりました。
ただし、制限なくChatGPTを利用したい場合や使用頻度が高い場合は有料版へのアップグレードを検討するのがおすすめです。

ChatGPT-4o miniとGPT-3.5Turbo・GPT-4oの違い

ChatGPT-4o miniは、GPT-3.5 TurboやGPT-4oと比べると入力・出力コストや回答速度などの面で異なります。
まず、GPT-3.5 Turboは2022年末に登場し、生成AIの普及に大きく貢献しました。GPT-4o miniはその後継モデルとして、コストと性能の両面で大きな発展を遂げています。
たとえば、Open AI社が発表している比較表では、GPT-4o miniはGPT-3.5 Turboに対して、入力コストは約30%、出力コストは約40%に削減されており、精度も向上しています。
次に、GPT-4oと比較するとGPT-4o miniはさらにコストパフォーマンスに優れ、入力コストは97%、出力コストは96%も低減されています。
また、GPT-4oは多言語対応やマルチモーダル入力に優れており、精度の高い回答を生成してくれる一方で、GPT-4o miniは速い回答速度が特徴的です。
このようにGPT-4o miniは、GPT-3.5Turbo・GPT-4oと比べてコストパフォーマンスが高く回答が速いため業務効率化に役立つでしょう。

GPT-4o miniとGPT-3.5Turbo・GPT-4oの比較表

テスト名テストの概要
MMLU幅広い知識領域(科学、歴史、社会科学など)における理解度を評価するベンチマーク
GPQA一般知識質問応答のベンチマーク
DROP文脈に基づく情報抽出のベンチマーク
MGSM数学的推論ベンチマーク
MATH数学的推論ベンチマーク
HumanEvalコーディングや問題解決能力、アルゴリズム設計能力のベンチマーク
MMMUマルチモーダル推論ベンチマーク
MathVista数学的推論ベンチマーク

参考:Open AI社の公式サイト

ChatGPT-4o miniの5つの特徴

ChatGPT-4o miniの特徴は、以下の5つです。

ChatGPT-4o miniの主な特徴5つ

・特徴1:回答速度が速い
・特徴2:高性能
・特徴3:知識の最新性
・特徴4:長いコンテキストウィンドウに対応
・特徴5:セキュリティ機能が高い

それぞれの特徴を押さえていきましょう。

ChatGPT-4o miniの特徴1:回答速度が速い

ChatGPT-4o miniの最大の特徴は、圧倒的な回答速度です。
Open AI社が公表しているデータによると、GPT-4o miniはGPT-4oの約2倍の速度である、1秒あたり約168トークンを処理できます。
この高速応答によって大量の情報を迅速に処理し、ユーザーに即座に回答を生成してくれます。
従来のモデルであるGPT-4oも高速応答を売りにしていましたが、GPT-4o miniはさらに速い回答の出力が可能です。

ChatGPT-4o miniの特徴2:高性能

ChatGPT-4o miniは、高性能な処理能力と画像認識機能も特徴の一つです。
基本的な能力ではGPT-4oには劣りますが、GPT-4を超える性能を持っており、GoogleのGemini 1.5 FlashやAnthropicのClaude 3 Haikuなどの軽量モデルと比較しても、以下のとおり優れた結果を示しています。
また、通常のChatGPTでは画像認識が利用できませんが、API経由であればGPT-4o miniの画像認識機能を活用できます。

GPT-4o miniと他の高速モデルとの比較表

テスト名テストの概要
MMLU幅広い知識領域(科学、歴史、社会科学など)における理解度を評価するベンチマーク
GPQA一般知識質問応答のベンチマーク
DROP文脈に基づく情報抽出のベンチマーク
MGSM数学的推論ベンチマーク
MATH数学的推論ベンチマーク
HumanEvalコーディングや問題解決能力、アルゴリズム設計能力のベンチマーク
MMMUマルチモーダル推論ベンチマーク
MathVista数学的推論ベンチマーク

参考:GPT-4o mini: advancing cost-efficient intelligence(OpenAI 社 公式サイト)

ChatGPT-4o miniの特徴3:知識の最新性

ChatGPT-4o miniは、2023年10月までの最新の情報を学習しています。
GPT-4oと同様に比較的新しい知識を持っているため、GPT-4o miniはユーザーに対して精度の高い回答を生成できます。
しかし、2023年10月以降の情報は含まれていないため、最新の出来事や進展に関する情報は反映されていないため注意が必要です。

ChatGPT-4o miniの特徴4:長いコンテキストウィンドウに対応

ChatGPT-4o miniは、GPT-4の4倍に相当する128,000トークンのコンテキストウィンドウに対応しています。
さらに、1リクエストあたり最大16,000トークンの出力が可能であり、これもGPT-4の2倍に当たります。
このように大容量のトークンを処理できる能力により、長文の文書や複雑なタスクの実行がスムーズに行えるでしょう。
大量の資料を一度に読み込んで要約するなど、高度な情報処理が可能なため、より効率的な回答が期待できます。

ChatGPT-4o miniの特徴5:セキュリティ機能が高い

セキュリティ機能の向上も、ChatGPT-4o miniのポイントの一つです。
Open AI社は「instruction hierarchy」手法を導入し、さまざまな攻撃に対する耐性を強化しました。
ここでの攻撃とは、あらかじめ設けられた制限を非正規に解除する「ジェイルブレイク」や提供側が出力を禁止している情報を生成させる「プロンプトインジェクション」などを指します。
この手法によってGPT-4o miniの応答の信頼性が高まり、大規模アプリケーションでも安全に使用できるようになりました。
さらに、ヘイトスピーチや成人向けコンテンツ、個人情報を事前に除外するフィルタリング処理が行われているため、より安全で信頼性の高い状態でAIを利用できるでしょう。

【ChatGPT-4o miniの注意点】GPT-4oよりも利用できる機能が少ない

ChatGPT-4o miniは、GPT-4oと比較すると利用できる機能が限られています。
GPT-4o miniはテキストの応答に特化しており、画像生成機能がありません。
また、APIを利用すれば画像認識はできるものの、ファイル添付や読み取り機能もありません。
そのため、GPT-4oからGPT-4o miniに切り替えるとチャットボックスからファイルアイコンが消えてしまいます。
ウェブブラウジング機能も利用できず、最新情報の取得や詳細なデータ分析には適していない点も認識しておく必要があります。
GPT-4o miniとGPT-4、GPT-4oとの機能の違いは、以下の表のとおりです。

機能比較一覧

機能GPT-4GPT-4oGPT-4o mini
学習時期2023年12月2023年10月2023年10月
メモリ機能
ウェブブラウジング機能×
カスタム機能(GPTs)の作成
※有料版なら可能
×
画像生成×
画像認識
※API経由なら可能
Advanced Data Analysis
※有料版なら可能
×
ファイルのアップロード×
料金有料一部無料無料

ChatGPTの機能を最大限使いたい場合は、有料版へのグレードアップがおすすめです。

ChatGPT-4o mini と ChatGPT-4oの使い分け方

ChatGPT-4o mini と ChatGPT-4oは、会話の内容によって使い分けると、より効率的にChatGPTを使えるようになります。
ChatGPT-4o mini と ChatGPT-4oの使い分け方は、以下2つです。

ChatGPT-4o mini と ChatGPT-4oの使い分け方2選

・テキストのみの会話はChatGPT-4o mini
・テキスト以外の複雑な内容を入出力する際はChatGPT-4o

それぞれの使い方を確認していきましょう。

ChatGPTの使い分け方1:テキストのみの会話はChatGPT-4o mini

ChatGPT-4o miniは高速な応答速度が特徴であるため、テキストのみの会話に最適です。
「文章を要約して」や「テキストを表に変換して」といったシンプルな指示には、GPT-4oよりもGPT-4o miniの方が迅速かつスムーズに対応できます。
たとえば、テキストのみを出力する場合、GPT-4o miniはGPT-4oの約1.9倍の速度で回答が可能です。
また、表形式で出力する場合は、GPT-4o miniはGPT-4oの約2.5倍の速度で回答を出力できます
このように出力形式がテキストではなく表形式だと、回答の複雑性が増し、回答速度が低下することがわかっています。
さらに、GPT-4oとGPT-4o miniを比べると、GPT-4oの方がややプロンプトに忠実ではあるが、我々がその差を判別できるほどの大きな差はありません。
なお、テキストのみの会話の際にGPT-4o miniを使うと、GPT-4oの利用回数を節約でき、回数制限を回避できるのが利点です。

ChatGPTの使い分け方2:テキスト以外の複雑な内容を入出力する際はChatGPT-4o

テキスト以外の複雑な内容を処理する際には、ChatGPT-4oの利用がベストです。
ブラウジング、画像生成、プログラミング実行など、高度な機能を必要とするタスクでは、GPT-4o miniよりもGPT-4oの方が適しています。
GPT-4oはGPT-4o miniに比べて性能が高く、多くの機能を備えており、複雑なプロンプトにも対応可能です。
そのため、高い推論能力や多機能性を求める場面では、GPT-4oを使用することでより効果的な結果が得られるでしょう。

ChatGPT-4o miniの使い方

ChatGPTのアカウントを作成済みの場合の、ChatGPT-4o miniを使い方を紹介します。

ChatGPT-4o miniの使い方

STEP1:ChatGPTにログインする
STEP2:ChatGPT-4o miniに切り替える

それぞれの手順を見ていきましょう。

STEP1:ChatGPTにログインする

まずこちらのリンクからChatGPTのログインページを開きます。

次に画面左側にある「Try ChatGPT」のボタンをクリックします。

すると下の画面に遷移します。

Loginをクリックします。

アカウント作成時に使用したログイン方法を選択します。

項目名ログイン方法
Email address1. Emailアドレスを入力しContinueをクリック
2. パスワードを入力しContinueをクリック
Continue with Googleアカウント登録時に使用したGoogleアカウントを選択
Continue with Microsoft Accountアカウント登録時に使用したMicrosoft Accountアカウントを選択
Continue with Appleアカウント登録時に使用したAppleアカウントを選択

以下のような画面が表示されたら、ログイン完了です。

ホーム画面

STEP2:ChatGPT-4o miniに切り替える

ChatGPTのモデル選択画面から、「GPT-4o mini」を選択します。

左上に「ChatGPT-4o mini」と表示されれば、GPT-4o miniの設定が完了します。

今後のChatGPT-4o miniの展望とは

現在はテキストのみだが、今後は画像・動画・音声の入出力をサポート予定

現在、ChatGPT-4o miniはテキストとAPI経由の画像認識に対応していますが、今後は画像・動画・音声の入出力できる処理機能も追加される予定です。
また、OpenAIはモデルの能力向上とコスト削減に注力しており、より高性能かつ低コストなモデルの実現が期待されています。そのため、専門的な知識がない一般ユーザーにとって、ChatGPT-4o miniはさらに使いやすい生成AIサービスへと進化していくでしょう。

ChatGPT研修「BotCamp」の特徴

BotCampバナー

わたしたちが提供する「BotCamp」は、ChatGPT研修の使い方を初心者から学べる研修です。

・日々登場する新しいAIツールやGPTsに、インプットが追いつかない
・AIツールの選択肢が多すぎて、自分にとって最適なツールを見つけられない
・生成系AIが仕事にどう役立つのか、あまりイメージできない
・すでに業務にAIを取り入れているが、使い方が適切なのかわからない
・時間をかけて学習しても、投資対効果がよいのか分からない
・プロンプトエンジニアリングって難しそう。とっつきづらく感じている

このようなお悩みをお持ちの方におすすめです。

BotCampの特徴1:プロンプトを難しく考えずシンプルに捉える

生成AIからのアウトプットの質を高めるコツは、指示文を「端的に・具体的に」書くことです。

だらだらと長く書く必要はありません。プログラミングやシステムエンジニアリングのように、用語めいた難しい言葉を使う必要も一切ありません。

プロンプトエンジニアリング」と聞くとやや学術的で高度な技術的理解が必要な印象を受けるかもしれませんが、Prompt Simpleという考え方で、誰でも最小限の労力で最大限AIパワーを活用する方法をお伝えします。

BotCampの特徴2:便利なGPTsを厳選して紹介

GPT storeにて日々増え続ける膨大なGPTsのうち、業務改革のインパクトが大きく重要なGPTsを厳選して紹介します。

業務の種類ごとに、どのGPTを使うべきか自分で考え判断できる応用力を身につけることができます。

BotCampの特徴3:Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)で「一億総データサイエンティスト」に

CSV、PDFなどのデータをアップロードした上で、ChatGPT上でPythonのコードを生成・実行できる機能「Advanced Data Analysis」を活用し、高度な専門性がなくても誰もがデータサイエンティストのようなモデル作成、データの予測ができるようになります。

BotCamp開催概要

開催日程研修内容ページを確認
研修時間9:00~17:00もしくは10:00-18:00
開催形式対面のみ(オンライン参加不可)
会場水道橋開催の場合
コンフォート水道橋
東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル 2階,5階
https://www.relo-kaigi.jp/comfort-suidoubashi/access/

神田開催の場合
BIRTH KANDA
東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル7F
https://birth-village.com/
備考・ChatGPT(GPT-4)が入ったWindowsPCをお持ちください
・推奨のOSはWindowsです。Macでの受講はご遠慮ください。
・セキュリティ上ChatGPTが使えないPCでの受講はご遠慮ください。