リリースされてから次々に新しい機能が追加されている「ChatGPT」ですが、ChatGPTに関する論文がいくつか書かれているのはご存じでしょうか。
そこでこの記事ではChatGPT関連の論文13選を紹介します。
論文の要約のほか、重要なポイントや予想される社会的な影響を解説するので、気になる方は最後まで読んでみてください。
ChatGPTに関する知見を深めることで、さらに便利な活用法が見出せるでしょう。
ChatGPTのことをあまり理解できていない場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
ChatGPT関連の論文13選
ここからは、OpenAI社が開発した「ChatGPT」に関する論文、以下13選を紹介します。
それぞれの論文の内容を理解し、ChatGPTの知識を深めていきましょう。
1.Chain-of-Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models
これは大規模言語モデルにおける推論を引き出す、連鎖思考プロンプトに関する論文です。
この論文では、大規模言語モデルが複雑な推論を行う能力を、推論ステップの一つである連鎖思考を生成することで大幅に向上させる方法を探求しています。
大規模言語モデルの3つの実験では、連鎖思考プロンプトが質の高い回答を生成できることが分かりました。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
2.Self-Consistency Improves Chain of Thought Reasoning in Language Models
これは、Self-Consistency (自己整合性)が言語モデルでの思考の連鎖を改善することを研究した論文です。
この論文では、言語モデルの複雑な推論タスクに対し、新しいデコーディング戦略「自己整合性」が勧められています。デコーディングとは、別の形式に変換されたデータを、一定の規則に沿って元に戻すことです。
自己整合性は、さまざまな違いのある推論パスを試し、その中から最も一貫性のある回答を選択することで推論問題に対応できる思考法を活用しています。
※推論パスとは、問題解決のために、システムやプログラムの情報処理から結論までのプロセスを示すものを指します。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
3.Reprompting: Automated Chain-of-Thought Prompt Inference Through Gibbs Sampling
これは、ギブスサンプリングによる自動連想プロンプト推論に関する論文です。
この論文では、反復サンプリングアルゴリズム「Reprompting」が紹介されています。
Repromptingは人間が指示することなく、特定のタスクのための連想プロンプト(Chain-of-Thought、CoT)レシピの探索が可能です。
直接サンプリングが難しい場合に似ているサンプルを用いる「ギブスサンプリング」を通じて、一貫性のある回答が生成できるCoTレシピを推測します。
Repromptingは、強いモデルから弱いモデルに対し知識の移転を促すため、弱いモデルの能力や成果を向上できます。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
4.Large Language Models Are Human-Level Prompt Engineers
これは、大規模言語モデル(LLM)は人間レベルのプロンプトエンジニアであることを著した論文です。
この論文では、大規模言語モデルのタスクパフォーマンスは、使用するプロンプトの質が大きく影響することが解説されています。
「Automatic Prompt Engineer (APE)」は、指示を最適化するためにLLMによって提案された指示候補のプールを検索する新しい方法を提案しています。
APEによって自動生成された指示は、人間が指示を出した場合と同じくらい、またはそれ以上のさまざまなタスクで高いパフォーマンスの発揮が可能です。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
5.Summary of ChatGPT/GPT-4 Research and Perspective Towards the Future of Large Language Models
これは、ChatGPTやGPT-4の研究概要と大規模言語モデルの将来に向けた展望に関する論文です。
この論文は、最先端の大規模言語モデル「ChatGPT」「GPT-4」に関する調査から、さまざまな分野で活用できる可能性を追究しています。
ChatGPTとGPT-4は、事前学習、人間からの指示をベースにした微調整、人間のフィードバックからのさらなる学習(RLHF)により、性能と適応する能力が向上できるのが特徴です。
194件もの関係する論文が分析され、教育や数学、医学や物理学など多岐にわたる分野でChatGPTとGPT-4が活用できる潜在性が紹介されています。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
6.ChatGPT in education: global reactions to AI innovations
これは、ChatGPTの教育への影響を研究した論文です。
この論文は、X(旧twitter)のデータを分析し、ChatGPTが教育分野に与える影響を解説しています。
分析対象の投稿は、カンニングなどの具体的なものから機会などの抽象的なものなど、広範囲にわたります。
また、ChatGPTは正しくない回答を生成する恐れもあるため、回答が適切か否か、自分で判断する知識を身に付ける必要があるでしょう。
なお、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
7.The future of ChatGPT in academic research and publishing: A commentary for clinical and translational medicine
これは、ChatGPTが医療研究に与える影響を研究した論文です。
ChatGPTは、人間のようなスムーズな受け答えとディープラーニング技術により、医療研究で活用できる可能性を見出しています。
ただし、ChatGPTの情報は最新ではなく2021年以前のものです。
そのため、最新情報が重要な医療分野では、情報の正確性が不安定であること、即時反映できないことが課題として挙げられています。
また、ChatGPTは、研究論文の執筆・編集、校正で活用できるため、研究者の作業効率を向上できるアイテムと言えるでしょう。
なお、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
8.Summary of ChatGPT-Related Research and Perspective Towards the Future of Large Language Models
これは、ChatGPT関連研究の要約と大規模言語モデルの未来に向けた展望に関する論文です。
この論文は、GPT-3.5やGPT-4などのChatGPT関連の研究、GPTシリーズの最先端の大規模言語モデルなどの調査を解説しています。
大規模な事前学習、指示に基づく微調整、人間の回答によるの強化学習(RLHF)が、ChatGPTに搭載されている大規模言語モデルの性能の向上に影響することが説明されています。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
9.The impact and applications of ChatGPT: a systematic review of literature reviews
これは、ChatGPTの応用と影響に関する文献レビューを分析した論文です。
この論文は、ChatGPTが自然言語処理ツールとして使われ始めたことを前提に、その応用と影響に関する文献レビューを体系的に分析しています。
2022年から2023年4月までに公開されたChatGPT関連の論文305件の中から、11のレビューを選出し紹介しています。この11のレビューは、ChatGPTに特化した9件、より広義なAIに関連する2件のレビューです。
さまざまな産業や分野でAIの活用が期待できる一方、倫理的な懸念に対する対策が必要だと説明されています。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
10.ChatGPT: A comprehensive review on background, applications, key challenges, bias, ethics, limitations and future scope
これは、ChatGPTが開発された背景や課題、将来の展望に関する論文です。
この論文では、ChatGPTの開発や進化過程、科学研究での役割、他の技術との統合、人間とAIの相互作用の改善を解説しています。
また、ChatGPTは、顧客サービスだけでなく教育や医療などの分野で使われていますが、倫理的懸念や回答の正確性などの課題を抱えているため、使い方には注意が必要です。
なお、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
11.ChatGPT: Applications, Opportunities, and Threats
これは、ChatGPTのアプリケーションのほか、機会や脅威に関する研究の論文です。
この研究では、ChatGPTのアプリケーション、機会、そして脅威を主要な10個の領域で分析し、ビジネス、産業、教育での例を紹介しています。
行われた実験的研究によると、GPT-3.5と比べてGPT-4のほうが、効果とパフォーマンスが大幅に高いことが分かりました。
ChatGPTは人間のような自然な対話が可能ですが、人間と同等の理解性や共感性はありません。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
12.ChatGPT and a new academic reality: Artificial Intelligence-written research papers and the ethics of the large language models in scholarly publishing
これは、人工知能による研究論文の執筆と、学術出版における大規模言語モデルの倫理に関する論文です。
この論文は、OpenAI社のChatGPTを議論した内容が書かれています。
ChatGPTやChatGPTに似たモデルの歴史、ChatGPTが学術研究や出版に与える影響を追究しています。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
13.ChatGPT and Academic Research: A Review and Recommendations Based on Practical Examples
これは、ChatGPTの実践例に基づくレビューと推奨事項に関する論文です。
この論文では、学術研究でのChatGPTの使用に着目し、実践例と推奨事項が解説されています。
ChatGPTは、アイデア出しや文章要約で利便性が高いですが、文献の統合、引用、問題の提示などの性能では課題があるのが難点です。
そのため、学術研究でChatGPTを使う場合には慎重さや情報を判断できる知識が求められます。
また、この論文の重要なポイントと予想される社会的な影響は、次のとおりです。
ChatGPT研修「BotCamp」の特徴
わたしたちが提供する「BotCamp」は、ChatGPT研修の使い方を初心者から学べる研修です。
・日々登場する新しいAIツールやGPTsに、インプットが追いつかない
・AIツールの選択肢が多すぎて、自分にとって最適なツールを見つけられない
・生成系AIが仕事にどう役立つのか、あまりイメージできない
・すでに業務にAIを取り入れているが、使い方が適切なのかわからない
・時間をかけて学習しても、投資対効果がよいのか分からない
・プロンプトエンジニアリングって難しそう。とっつきづらく感じている
このようなお悩みをお持ちの方におすすめです。
BotCampの特徴1:プロンプトを難しく考えずシンプルに捉える
生成AIからのアウトプットの質を高めるコツは、指示文を「端的に・具体的に」書くことです。
だらだらと長く書く必要はありません。プログラミングやシステムエンジニアリングのように、用語めいた難しい言葉を使う必要も一切ありません。
「プロンプトエンジニアリング」と聞くとやや学術的で高度な技術的理解が必要な印象を受けるかもしれませんが、Prompt Simpleという考え方で、誰でも最小限の労力で最大限AIパワーを活用する方法をお伝えします。
BotCampの特徴2:便利なGPTsを厳選して紹介
GPT storeにて日々増え続ける膨大なGPTsのうち、業務改革のインパクトが大きく重要なGPTsを厳選して紹介します。
業務の種類ごとに、どのGPTを使うべきか自分で考え判断できる応用力を身につけることができます。
BotCampの特徴3:Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)で「一億総データサイエンティスト」に
CSV、PDFなどのデータをアップロードした上で、ChatGPT上でPythonのコードを生成・実行できる機能「Advanced Data Analysis」を活用し、高度な専門性がなくても誰もがデータサイエンティストのようなモデル作成、データの予測ができるようになります。
BotCamp開催概要
開催日程 | 研修内容ページを確認 |
研修時間 | 9:00~17:00もしくは10:00-18:00 |
開催形式 | 対面のみ(オンライン参加不可) |
会場 | 水道橋開催の場合 コンフォート水道橋 東京都千代田区神田三崎町2-7-10 帝都三崎町ビル 2階,5階 https://www.relo-kaigi.jp/comfort-suidoubashi/access/ 神田開催の場合 BIRTH KANDA 東京都千代田区神田錦町1-17-1 神田髙木ビル7F https://birth-village.com/ |
備考 | ・ChatGPT(GPT-4)が入ったWindowsPCをお持ちください ・推奨のOSはWindowsです。Macでの受講はご遠慮ください。 ・セキュリティ上ChatGPTが使えないPCでの受講はご遠慮ください。 |