散布図は、データの相関関係を視覚的に理解するのに非常に便利なツールです。コツさえ掴めばエクセル初心者でも簡単に作ることができます。この記事では、散布図の見方や、簡単に散布図を作る方法、散布図のカスタマイズ方法などをまとめました。
この記事ではExcelCamp講師が研修で実際に説明している手順に沿って、内容を解説いたします。
散布図はいつ使う?
散布図を使うことで、異なる2つのデータの関係性を確認することができます。
縦軸と縦軸のそれぞれのデータをグラフ上に配置し、その傾向を見ることで関係性のあるなしを確認できます。
散布図の類型は大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 正の相関
- 負の相関
- 相関関係なし
順に解説します。
1.正の相関
正の相関では、一方の値が大きくなると、もう一方の値も大きくなります。
以下の図は、横軸が気温、縦軸が熱中症患者数の散布図です。
気温が高くなるにつれて熱中症患者も増えています。
各プロットの傾向を見ると右肩上がりになっていることが分かります。
2.負の相関
負の相関では、一方の値が大きくなると、もう一方の値は小さくなります。
以下の図は横軸が気温、縦軸が暖房使用量の散布図です。
気温が高くなるにつれて暖房使用量が減っています。
各プロットの傾向を見ると右肩下がりになっているのが分かります。
3.相関関係なし
相関関係がないデータは数値の値もバラバラになります。
以下の図は横軸が気温、縦軸がドル円相場の散布図です。
気温が低くても高くてもドル円相場に影響は与えません。
相関関係がない散布図は、プロットがバラバラに散らばっている状態になります。
エクセルで散布図を作成するショートカットキー
ここでは、ショートカットで散布図を作る方法を解説します。
散布図を作るショートカットはAlt + N + Dです。
散布図を作る際の注意点
・X軸(横軸)が原因、Y軸(縦軸)が結果となるように表を作成する
・列にデータがある場合は左がX軸(横軸)になり右がY軸(縦軸)になる
・行にデータがある場合は上がX軸(横軸)となり下がY軸(縦軸)になる
散布図はX軸に原因、Y軸に結果となるように作成する必要があります。
X軸が大きくなるにつれてY軸も大きく(小さく)なるような散布図でないと読み取りづらくなってしまいます。
例えば、気温とアイスクリーム支出額の散布図があるとします。
X軸に気温、Y軸にアイスクリームの支出額とした場合は、気温が上がるにつれてアイスクリームの支出額が増えるとなるので意味が通ります。
それが、X軸にアイスクリームの支出額、Y軸に気温の場合は、アイスクリームの支出額が増えるにつれて気温が上がるとなり意味が分からなくなってしまいます。
散布図を作成する前にしっかりと確認をしておきましょう。
それでは、散布図を作っていきます。
今回は、気温とアイスクリームの支出額の2つのデータの散布図を作ります。
まずは、データにする範囲を選択します。
範囲を選択したらAlt キー、N キー、 Dキーを順番に押します。
すると、散布図の挿入画面が開くので、そのままEnterキーを押します。
散布図が作成されました。
見やすい散布図の作るときの6つのポイント
ここでは、散布図を見やすくする方法を解説します。
ポイントは以下の6つ
- タイトルの設定
- 軸ラベルの設定
- 目盛りの設定
- データラベルの設定
- フォントサイズの変更
- 近似曲線の表示
順に解説します。
ポイント1:タイトルの設定
まずは、グラフタイトルの変更をします。
タイトル上にカーソルを合わせてダブルクリックします。
すると、タイトルが入力できるようになるので、タイトル欄に「気温とアイスクリームの支出額」と入力してタイトルを変更します。
ポイント2:軸ラベルの設定
2つ目は、軸ラベルの設定です。
まずは、グラフ上でクリックしてグラフの要素を表示させます。
グラフの要素をクリックして、軸ラベルにチェックを入れます。
軸ラベルが表示されました。
続いて、軸ラベルの表記を変更します。
縦軸ラベル上でクリックを二度押して「アイスクリームの支出額(円)」と入力します。
このままでは文字が読みづらいので、文字を縦に変更します。
軸ラベルの書式設定から文字のオプションを選択します。
テキストボックスを開き、文字列の方向から縦書きを選択します。
「アイスクリームの支出額(円)」が縦書きになりました。
横軸も同様に変更していきます。
横軸に「気温℃」と入力して完成です。
ポイント3:目盛りの設定
3つ目は目盛りの設定です。
縦軸、横軸の最大表示の目盛りを変更することで、グラフが見やすくなります。
以下の図では、アイスクリームの支出額が「2000」、気温が「35」となっています。
それぞれ、「1800」と「30」に変更していきます。
最初に縦軸から変更します。
縦軸の目盛りの上にカーソルを合わせダブルクリックして、軸の書式設定を開きます。
軸のオプションの最大値が「2000」となっています。
アイスクリームの支出額の最大値は8月の「1750」なので、最大値を「1800」に変更します。
単位の主を変更することで、目盛りの幅を変更することもできます。
ただ、今回は変更せず「200」のままにしておきます。
目盛りの最大値が「1800」に変更されました。
同様の手順で横軸も「30」に変更したら完成です。
ポイント4:データラベルの設定
4つ目はデータラベルの設定です。
以下の図のようにプロット上に月の項目を表示させます。
まずは、グラフ上でクリックしてグラフの要素を表示させます。
グラフの要素をクリックして、データラベルにチェックを入れます。
チェックを入れたら、データラベル横の>をクリックします。
その他のオプションをクリックして、データラベルの書式設定を開きます。
データラベルの書式設定が開いたら、ラベルオプションからY値をクリックしてチェックを外します。
次にセルの値をクリックしてチェックを入れます。
すると、データラベル範囲の選択画面が開きます。
データラベル範囲の選択には1月~12月を選択します。
プロット上に月のラベルが表示されました。
ポイント5:フォントサイズの変更
5つ目にグラフ全体のフォントサイズを変更します。
フォント変更のショートカットキーはAlt+H+F+Sです。
まず、グラフ上をクリックして全体を選択します。
Altキー、Hキー、Fキー、Sキーを順番に押します。
矢印キーでフォントを選択します。
今回は、フォントを「12」に変更します。
フォントが変更されました。
ポイント6:近似曲線の表示
最後に近似曲線を表示して相関関係を見やすくしていきます。
グラフ上をクリックしてグラフの要素を表示させます。
グラフの要素をクリックし、近似曲線をクリックしてチェックを入れます。
近似曲線が表示されました。
この散布図は右肩上がりになっているので、正の相関があることが分かります。
複数の散布図を重ねる方法
最後に複数の散布図を重ねる方法を解説します。
今回は以下の2つのデータを用意しました。
- 2022年の気温とアイスクリームの支出額
- 2023年の気温とアイスクリームの支出額
それぞれ散布図を作って一つの散布図に重ねていきます。
まず、2022年の気温とアイスクリームの支出額の散布図を作成します。
散布図にするデータ範囲を選択して、Alt キー、N キー、 Dキーを順番に押します。
そのままEnterキーを押します。
2022年の気温とアイスクリームの支出額の散布図が作成されました。
同じ要領で2023年の気温とアイスクリームの支出額の散布図を作成します。
分かりやすいようにタイトルに年数を入れています。
まず、2023年の散布図にカーソルを合わせます。
カーソルを合わせたらctrlキーを押したままCキーを押してコピーします。
コピーしたら2022年の散布図にカーソルを合わせctrlキーを押したままVキーを押して貼り付けます。
散布図が重なって表示されました。
ここから、タイトルと凡例を設定して見やすくしていきます。
タイトルには「気温とアイスクリームの支出額の相関関係」と入力します。
続いて凡例を設定します。
グラフをクリックしてグラフの要素を表示させます。
グラフの要素から凡例をクリックしてチェックを入れます。
凡例が表示されました。
ただ、表記が「系列1」「系列2」となっているので、「系列1」を「2023年」に「系列2」を「2022年」に変更します。
グラフ上で右クリックを押してメニューを開きます。
メニューを開いたらキーボードのEキーを押します。
データソースの選択が表示されるので、編集をクリックします。
編集をクリックすると、系列の編集画面が開くので、系列名のところに2022年のセルをクリックして選択します。
選択したらOKをクリックします。
系列2が「2022年」に変わりました。
同様に系列1も「2023年」に変更します。
変更したらOKをクリックします。
凡例の表示が変更しました。
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