「時間」と「数値」の関係 [見出しへ]
24時間:1
12時間:1/2(0.5)
8時間:1/3
1時間:1/24
1分:(1/24)/60
1秒:((1/24)/60)/60
時間表記を数値データに変更する [見出しへ]
「時間(hour)」に変更:hh:mm:ss *24
「分(minute)」に変更:hh:mm:ss *24*60
「秒(second)」に変更:hh:mm:ss *24*60*60
表示形式を標準(数値)に戻す:Ctrl&Shift&^
計算結果が「24時間以上」になる場合 [見出しへ]
手順①:Ctrl&1で「セルの書式設定」ボックスを開く
手順②:「表示形式」タブの「ユーザー定義」で[h]:mmと入力
手順③:Enterキーで確定
マイナスの表記をしたい [見出しへ]
手順①:ABS関数で計算結果を絶対値に直す
手順②:IF関数で0以下の時間に「-」をつける
手順③:TEXT関数で数字データを「文字列」に変更する
hh:mm:ssから「時」「分」「秒」だけを抜き出したい [見出しへ]
HOUR関数、MINUTE関数、SECOND関数
Excelでは時間の計算ができますが、慣れるためには少しコツがいります。
時間の「hh:mm:ss」という表記のまま足し算、引き算ができたり、「〇〇時間」「〇〇分」という表記に変更できたり何かと便利です。
この記事ではそのな時間や期間を正しく効率的に計算する方法を、ExcelCampの講師が解説しています。
ExcelCamp講師が研修で実際に説明している手順に沿って解説いたします。
Excel初心者向けに、わかりやすく丁寧に解説しています。
まず知っておきたい「時間データ」と「数値データ」の関係
Excelでは、「時間データ」は「数値データ」として扱われます。
1900年1月1日を「1」と定義して1日経つごとに連番を振って管理しているので日付のデータも数値データです。
例えば2022年1月1日には「44562」という数値が割り振られており、1900年1月1日から「44562日目」という意味になります。
「1日(24時間)=1」というルールなので、時間は0~1の間の小数点で表記されます。
具体的には以下の通りになります。
時間 | 数値 | 書き方 |
---|---|---|
1日(24時間) | 1 | 1 |
半日(12時間) | 0.5 | 1/2 |
8時間 | 0.333… | 1/3 |
1時間 | 0.04166… | 1/24 |
1分 | 0.0006944… | 1/24/60 |
1秒 | 0.00001157… | 1/24/60/60 |
なので例えば、
2022年1月1日に「1」を足せば翌日の日付になりますし、「1/2」を足せば半日後の時間に、「1/24/60」を足せば1分後の時間になります。
時間計算をラクにする「TIME関数」
しかし、上記のようにいちいち時間を「1/2」「1/24/60」と書いて出すのは面倒です。
それに「18分後」「6時間26分後」など、すぐに計算式が出せないことのほうが多そうですよね。
そこで便利なのがTIME関数です。直感的に「何時何分何秒後」の時間計算ができ、瞬時に結果も表示してくれます。
TIME関数の書き方
=TIME(時,分,秒)
例えば現在表示している時刻に「18分」を足したい場合、以下のように書きます。
18分は「0時間18分0秒」なので、
TIME(0,18,0)と書けば18分という意味になります。
正しく「18分」が足されたことがわかります。
TIME関数を使うと、上で説明した時間の書き方がとても単純になります。
時間 | 書き方(直接入力) | 書き方(TIME関数) |
---|---|---|
1日(24時間) | 1 | – |
半日(12時間) | 1/2 | =TIME(12,0,0) |
8時間 | 1/3 | =TIME(8,0,0) |
1時間 | 1/24 | =TIME(1,0,0) |
1分 | 1/24/60 | =TIME(0,1,0) |
1秒 | 1/24/60/60 | =TIME(0,0,1) |
「半日」「8時間」「30分」など足したい時間が決まっている場合はTIME関数を使った書き方がおすすめです!
経過時間を計算する方法
例えば出勤時間と退勤時間から、経過時間(勤務時間)を計算するとします。
上記で説明した通り時間は「数値データ」なので、まずは普通に引き算を書いてみます。
すると結果は次のように表示されます。
たしかに計算は合っていますが、「9:00 AM」ではなく「9(時間)」と表示したいですよね。
そんなときに便利な時間表記を「時」「分」「秒」単位に変換する方法をご紹介します。
計算結果を「時」「分」「秒」単位に変換する
「9:00 AM」を「時」「分」「秒」に直すには、以下の手順で操作を行います。
手順1:表示形式を「標準」に戻す
表示形式を標準に戻す:Ctrl&Shift&^
まず、「9:00 AM」は表示形式が時間表記になってしまっているため、標準の数値表記に戻す必要があります。
「セルの書式設定」の下記の場所から直すことができます。
セルの書式設定はCtrl&1で開くことができ、ボックス内の操作もすべてショートカットで行うことが可能です。(関連記事参照)
ただし今回は一瞬で「標準に戻す」操作ができるショートカットがあるので、そちらを覚えたほうが圧倒的に便利です。
ショートカットの手順は、まず表示形式を変更したいセルを選択し、Ctrlキー、Shiftキーを同時に押したまま^キーを押します。
※^キーは数字の0キーの2つ右隣にあります。
手順2:「時間」に直すには24をかける
「0.375」という数字は、単位が「日」です。
そのため*24をすることで単位を「時間」に変更することができます。
Enterキーを押して数式を確定させると、一度表記が元に戻ってしまいます。
すかさずCtrl&Shift&^で表記を標準に戻せば、無事「9(時間)」が表示されます。
毎回「セルの書式設定」ボックスを開いて標準に戻すのは流石に面倒なので、Ctrl&Shift&^を必ず覚えてください。
手順3:「分」に直すには24*60をかける
同じ要領で、単位を「分」に直すには*24*60をすればうまくいきます(24と60をかける)。
Enterキーで確定すると例によって一度表記がAMに戻るので、Ctrl&Shift&^で表記を標準に戻します。
540分(=9時間)が正しく表示されました。
手順4:「秒」に直すには24*60*60をかける
単位を「秒」にするには、さらに*60をします(24と60と60をかける)。
Ctrl&Shift&^で表記を標準に戻せば、正しい数値である32400秒(=9時間)が表示されました。
毎回計算のたびに表記がAM/PMに戻ってしまうのが厄介ですが、ショートカットさえ覚えてしまえばほとんどストレス無く操作が可能ですよ。
合計時間を計算する方法
「時間」「分」「秒」単位に計算結果を変換する方法さえ知っていれば、合計時間を出す方法は簡単です。
SUM関数を使って簡単に計算することができます。
時間が「24時間以上」になるときの計算方法
時間はあくまで0~1(24時間)の間で定義されている概念なので、24時間を超えてしまうとうまく表示できなくなります。
例えば「26時間」を、無理やり26:00:00と書いてみます。
Enterキーを押すと、結果は勝手に「2:00:00」と表記されてしまいます。
24時間以上の時間を正しく計算するには、「セルの書式設定」から独自に表記ルールを定義する必要があります。
まず24時間以上表示したいセルを選択し、Ctrlキーを押しながら数字の1キーを押し「セルの書式設定」ボックスを開きます。
上のタブが「表示形式」の場所にいない場合は、←キーと→キーでタブを移動させます。
「分類(C)」の中の「ユーザー定義」を選びたいので、Altキーを押しながらCキーを押して「分類(C)」内にアクティブを移動させます。
↓キーを押して「ユーザー定義」までカーソルを移動させてください。
次に種類(T)にアクティブを移したいので、Altキーを押しながらTキーを押します。
すると入力欄にアクティブが移ります。
ここの表記は特殊なので一応解説します。
h:時(hour)
m:分(minute)
s:秒(second)
と、それぞれアルファベットが対応しているので、h:mm:ssは「時間を『0:00:00』と表記しますよ」という意味になります。
24時間以上の表記をするには、入力欄の中の「h」を、「[h]」に書き換えてください。
「サンプル」と書かれたプレビュー画面に「26:00:00」と書かれていれば成功です。
Enterキーで表示形式を確定させると、無事セルにも「26:00:00」が表示されるようになりました。
計算上、時間が24時間を超えてしまうことはよくあるので、「[]でhを囲えばうまくいく」と覚えておくと便利です。
計算結果がマイナスになるときの表示方法
例えば先月と今月の稼働時間の差を計算したいとします。
このように引き算を書いてEnterキーを押すと、「#######」という表記が出てしまいます。
今回は計算結果がマイナスになってしまいます。
時間はExcel上で「0~1」の間の数字で定義されているため、0より小さいマイナスの数値ではエラーが出てしまうのです。
エラーを出さずに「-4:00:00」と表示させるには以下の手順が必要です。
「マイナス」の時間を表示させる方法
手順①:ABS関数で計算結果を絶対値に直す
手順②:IF関数で0以下の時間に「-(マイナス符号)」をつける
手順③:TEXT関数で数字データを「文字列」に変更する
手順1:ABS関数で計算結果を絶対値に直す
まず、時間がマイナスのままでは「#####」の表記が直らないため、マイナスを取って計算ができる状態にします。
マイナスを取るにはABS関数が便利で、以下のように書きます。
マイナスの数字から-(マイナス符号)を取った数字のことを「絶対値」と呼びます。
※「ABS関数」は絶対値(Absolute value)の頭文字が由来
「絶対参照」とは全く別の話ですので、混同しないようご注意ください。
Enterキーを押すと、-(マイナス符号)が取れて「4:00:00」と表示されるようになりました。
これで時間データ(数値データ)として扱えるようになりました。
手順2:IF関数で0以下のときに「-」をつける
次はIF関数を使って、以下のような式を書きます。
IF関数の書き方
=IF(論理式,真の場合,偽の場合)
=IF(C4-B4<0,”-h:mm:ss”,”h:mm:ss”)
論理式:C4-B4<0(もし差がマイナスだったら)
真の場合:“-h:mm:ss”(表示形式にマイナスを付けてね)
偽の場合:“h:mm:ss”(表示形式に何も付けないでね)
ここで書くIF関数は、手順3のTEXT関数の表示形式を条件分岐させるために使います。
そもそもIF関数の使い方がわからないという方は、以下の関連記事をご確認ください。
手順3:TEXT関数で数値データを「文字列」に変更する
TEXT関数は、「数値データ」の表示形式を自由に変更できる関数です。
TEXT関数の書き方
=TEXT(値,表示形式)
=TEXT(ABS(C4-B4),IF(C4-B4<0,”-h:mm:ss”,”h:mm:ss”))
値:ABS(C4-B4)(差の絶対値)
※値は「数値データ」でなければいけない
表示形式:IF(C4-B4<0,”-h:mm:ss”,”h:mm:ss”)(手順2のIF文)
実際に書いてみると、無事「#######」というエラーが出ずに「-4:00:00」と表示されていることがわかります。
手順1のABS関数は、値を「エラー」から「数値データ」に変換することでTEXT関数を使える状態にするために書きました。
また手順2のIF関数は、TEXT関数の表示形式を「マイナスの場合」と「そうでない場合」で条件分岐させるために書いています。
時間データから「○時」「○分」「○秒」だけを取り出す関数
最後にhh:mm:ssと書かれた時間のデータから、「時」「分」「秒」だけを取り出したり、「時:分」「分:秒」だけを抜き出す方法をご紹介します。
それぞれ専用の関数が存在するので、使う頻度が多い方は是非覚えてください。
「時」だけを取り出す:HOUR関数
HOUR関数の書き方
=HOUR(時間データ)
時間データから「時」の値だけを取り出すにはHOUR関数を使います。
書き方は簡単で、()内に時間データを入れるだけです。Enterキーを押して関数を確定させれば、「15時」だけを抜き出すことができます。
「分」だけを取り出す:MINUTE関数
MINUTE関数の書き方
=MINUTE(時間データ)
時間データから「分」の値だけを取り出すにはMINUTE関数を使います。
書き方はHOUR関数同様で、()内に時間データを入れるだけです。
「秒」だけを取り出す:SECOND関数
SECOND関数の書き方
=SECOND(時間データ)
時間データから「秒」の値だけを取り出すにはSECOND関数を使います。
これも書き方はHOUR関数、MINUTE関数同様です。
取り出したい要素の名前が、そのまま関数名になっているので覚えやすいですね!
ちなみに日付データの要素を取り出す関数は以下のとおりです。
「年」を取り出す:YEAR関数
「月」を取り出す:MONTH関数
「日」を取り出す:DAY関数
「時:分」「分:秒」を抜き出す:TEXT関数
TEXT関数の書き方
「時:分」を抜き出す:=TEXT(時間データ,”hh:mm”)
「分:秒」を抜き出す:=TEXT(時間データ,”mm:ss”)
時:分:秒から、時:分、分:秒など一部のデータを抜き出すには、TEXT関数で表示形式を変更することでうまくいきます。
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